【イベントレポート後編】新しい価値創造に挑んだチャレンジャーをともに讃え、明日からの一歩に。『New Value Forum 2024』イベントレポート

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●『New Value Forum 2024』イベントレポート ~当日の様子~

●プロフェッショナル部門プレゼンテーション

『New Value Forum 2024』プロフェッショナル部門最終審査ファイナリスト5組の代表者によるプレゼンテーションが始まります。

まず登壇したのは、株式会社オプト CX CREATION2部 三木雄大。エントリーテーマは、「新技術(ChatGPT)を用いたプロトタイプ開発」です。前職の教員から未経験でエンジニアになって4年目の三木が挑戦したことは、ChatGPTを活用した業務プロセスの改善です。わずか4か月で実用化にこぎつけ、見事に人的リソース削減を実現した、その取り組みを披露しました。

社内業務の疑問が発生したとき、これまでは社内SNSで質問し、担当者が人力で回答していました。この人力の部分をChatGPTに置き換えることができれば、社内業務の改善を図ることができそうだと考えました。私たち開発チームは、これを『QA bot』と名付け、つくろうと思ったのですが、ChatGPTの知識、経験、実績が全くありませんでした。けれども、私たちには信念がありました。それは、「実用的でなければ意味がない」ということです。

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開発にあたっての信念を話す三木

 

QA bot完成までには、たくさんの壁がありました。それでも完成にこぎつけることができたのは、ただ1つの信念を持って、妥協せずに取り組んだからだと思っています。そして、4か月という短い期間で取り組めたことは、今後、どのようなな新技術が生まれたとしても、知見が全くなかったとしても、私たちはいち早く価値を創造できるポテンシャルがある、という証明になります。

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挑戦を積み重ねることの大切さを話す三木

 

妥協せず仕事に取り組み、壁をどんどん乗り越えていった、その先に新しい価値がある。私はそう思っています。

2人目の登壇者は、株式会社オプト ソリューション営業本部 営業部 久保倉慎吾。エントリーテーマは「オプトにおけるSMB市場※1開拓」です。
久保倉は、企業規模の大小に関わらず、より多くのクライアント支援をしたいとチャレンジ。少額の広告費では収益化が難しいという常識を打ち破り、オプトの構造改革に貢献しています。壇上では、その取り組みの顛末を熱く発表しました。

※1 Small to Medium Businessの略称であり、 中小規模事業者のこと。

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オプトの構造改革に取り組んだ背景を話す久保倉

 

私たちは、SMB顧客の開拓によって事業ポートフォリオを変える動きをしています。ただ、この2年間は本当に困難なことばかりでした。その結果、1年目は全然うまくいきませんでした。ただ、正しい努力さえしていれば、必ず成果に結びつくことを証明したいという想いが私たちにはありました。そこで、次年度に進むにあたり、2つのことを決めました。私は、野球経験者ということもあり、高校3年生の夏、球児が甲子園を目指すような情熱を持つこと。成功例が社内外ともにほとんどない状態だったため、「どこが前か」ではなく、「私たちの進む道が前」という覚悟を持つことです。

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成功につなげるために大切にした2つの信念を話す久保倉

 

成功につなげるために、いくつもの検証とアクションを積み重ねました。組織構造のテコ入れもダイナミックに行いました。その結果、売上と限界利益は、現在右肩上がりに推移しています。
前例なきものに成功するまで挑み続け、仲間と暗中模索しながら難しいことをやり遂げました。結果的に、それがとても楽しかった。一人でできる仕事には限界があります。しかし、チームで取り組むことで、私たちの仕事の価値、あるいは楽しいと思える仕事の範囲は広がります。グループ全員でもっと楽しい仕事がしたいですし、できるはずだと思っています。

3番手に登場したのは、株式会社オプト マーケティングアセット本部付 阿部一馬です。「業界初!生成AI×効果予測AIサービスCRAIS for Textの開発 -AIとクリエイティブの未来-」をエントリーテーマに、自らがプロダクトマネージャーを務める、ChatGPTと効果予測AIで効果的な広告クリエイティブの制作を実現するプロダクト『CRAIS for Text(クレイス フォー テキスト)』の開発過程と展望について発表しました。

2023年に登場した、ChatGPTをはじめとした生成AIによって、広告テキストの大量生成と効果予測の掛け合わせができるようになると考えた私は、『CRAIS for Text』を開発しました。これは、ChatGPTの機能を活用したテキストの大量生成と、オプト独自開発の効果予測を組み合わせたテキスト生成ツールであり、大量に素早く、かつ誰でも効果の高い広告クリエイティブをつくれる世界を実現できます。
テキストはすべてのクリエイティブの根幹であり、あらゆる可能性を秘めています。短期的な展望として画像バナー広告への応用、長期的には動画への応用も考えています。

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CRAIS for Textについて話す阿部

 

私たちCRAISチームは、このツールをAIの実験プラットフォームとして活用し、世の中にAIの可能性を提案していきたいと考えています。ただし、主役はあくまでクリエイティブです。『CRAIS for Text』を使ったクリエイティブが良いものであることを目指して、私たちはブラッシュアップを続けていきます。まだまだ道の半ばです。やりたいことはたくさんあります。クオリティも、もっと高める必要があります。そういったことを諦めず、今後も、引き続きAI×クリエイティブの可能性を探っていきたいです。

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オプトにおけるAIの展望を話す阿部

 

4 人目のノミネートは、株式会社オプト CX CREATION1部 早田翼です。「LINEヤフー社と顧客体験を共創するパートナーへ」をエントリーテーマに、LINEヤフー社が提供する新しい顧客体験とオプトが持つテクノロジーの力を掛け合わせ、より優れた顧客体験につながるサービスづくりに取り組んできたプロセスと今後への思いを、壇上から雄弁に語ります。

私たちのパーパスは、とても壮大なテーマです。しかし、私は思うのです。この実現は、私たちだけでできなくてもいいのではないかと。
LINE事業では、LINEの顧客接点を企業が活用するにあたり、『TSUNAGARU』というプロダクトを開発し、解像度の高い顧客理解のもと、個々のエンドユーザーに合ったコミュニケーションを図れるよう、いまも進化させながら提供しています。そして、昨年、インサイトコア社との統合※2により、エンドユーザーに向けたサービスを開発できるようにもなりました。このように、私たちの仕事は、LINE事業の歩みとともに、広告代理事業から顧客体験をつくることへと変わってきました。

※2 デジタルシフト社(現オプト)は、2023年5月、次世代アプリCRMプラットフォームを提供する インサイトコア社の株式を取得しました。
プレスリリース:https://digital-holdings.co.jp/news/20230517/1952

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力強く実現したい未来を話す早田

 

LINEヤフー社とオプトは、いま、目指したい未来が合致しています。プラットフォームと、そしてクライアントと一緒にエンドユーザーにサービスを届け、幸せをつくれるようになったのは、私たちが、LINEヤフー社と同じ未来を見据えたからこそ。この歩み方は、LTVマーケティングのど真ん中だと思っています。
クライアントと一緒に、どうすればエンドユーザーを楽しませることができるのか。そんな話に終始できる仕事で溢れたら、私たちの仕事も楽しくなるし、エンドユーザーも私たちのクライアントのことを大好きになります。その積み重ねが、新たな価値創造や社会変革につながっていくのではないでしょうか。オプトはまだまだやれる。いま、ここから新しいオプトの進撃を始めましょう。

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壇上から全社員に問いかける早田

 

最後に登場した、株式会社オプト パートナー共創部 東勇佑は、2022年に続いての登場です。エントリーテーマは「日本駐車場開発様の成果報酬型支援」。同社ポータルサイト事業の事業成長に取り組んだ成果を発表しました。

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白いスーツに身を包み、元気よく挨拶をする東

 

今日、皆さんに伝えたいのは、クライアントがチャレンジしやすい環境を私たちが一緒につくろう、ということです。私たちは、クライアントの利益を拡大し、クライアントに次なるチャレンジへの原資にしていただくことで、オプトにも「社会課題の解決に貢献している」という手触りを持たせたいと思っています。そのために、クライアントの「売上の拡大」「生産性の改善」に取り組みました。前者は、オプトが一番得意なことです。3年かけて業界1位になりました。ただ、利益拡大と次なるチャレンジのためには、後者の取り組みが一番大切です。営業社員一人当たりの売上アップを目的に、私たちはデータを有効活用し、駐車場を貸したい人と借りたい人の課題を一挙に解決できるポータルサイトを開発しました。その結果、営業社員は増員されたにもかかわらず、一人当たりの生産性は2.5倍に上がり、私が着任してからの4年間で営業利益は10倍に増えました。

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日本駐車場開発さまとの取り組み内容を話す東

 

この利益はいま、社会課題の解決に投資しています。これができるのも日本一のWeb問い合わせデータと駐車場情報があるからです。クライアントは、データを元に意思決定できる組織へと変わっていきました。このとおり、私たちはクライアントをデータドリブンな人材・組織・経営へと変えていくことができます。既存事業の利益をDXによって改善し、その原資を使って新たなチャレンジを一緒に行う。これが私たちの掲げる「新しい価値創造を通して産業変化を起こし、社会課題を解決する」ことです。パートナーとして共創し続けます。

●社外取締役会からのコメント

各ファイナリストのプレゼンには、審査員による講評が行われています。ここでは社外取締役3名のコメントを紹介します。

・阿部一馬のプレゼンテーションに対する社外取締役、水谷智之のコメント

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新しいテクノロジーが社会に出たとき、昨日までできなかったことが、今日からできるようになるため、それはすべて価値だと錯覚してしまいます。しかし、そのレベルが高くなければ、明日には「常識」に下がります。そのため、社会に一石を投じるレベルが大切になります。もう1つの錯覚の観点は、昨日までできなかったことに必死に挑戦しているけれど、世界中の人たちも同じことをしている状態です。ですので、私たちにしかできない価値を生み出すことが本当の価値になります。そういう意味では、本当の挑戦はここから始まるのだと思います。

・早田翼のプレゼンテーションに対する社外取締役、栁澤孝旨のコメント

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エンジニアリングの会社でもあるLINEヤフー社に対し、オプトが広告代理事業を行いながらエンジニアリングを提供していく過程で、両社が強みを認識しあい、そこに共創が生まれ、そして1つのことに向き合い議論する関係へと発展したのではないか、と思っています。そこに対するリスペクトを今後も続けていくことで、LINEヤフー社と長く深く付き合っていく関係ができるのではないか、と感じました。

・東勇佑のプレゼンテーションに対する社外取締役、荻野泰弘のコメント

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まさに、『GRIT(G:ガッツ、R:レジリエンス、I:イニシアチブ、T:テナシティ)』に溢れた取り組みでした。熱量を持ち続けることは、この会場にいる全員が学ぶべきことだと思います。そして、この場でその熱量を皆さんに伝播するプレゼンテーションも含め、デジタルホールディングスグループ全体にとっての価値だと改めて思いました。

すべてのプレゼンテーションが終了したことを受け、デジタルホールディングス 取締役 兼オプト代表取締役社長 CEO 金澤大輔がステージに上がり、全社員に向け、コメントを発します。

●金澤のコメント

ファイナリストの皆さん、プレゼンテーションありがとうございました。皆さんに共通していたのは、「仕事を楽しむ」ことです。その姿勢から新しい価値が生まれるのだ、という想いに溢れていました。
皆さんの“挑戦のエンジン”となるものが、私たちのパーパス、バリュー(5BEATS)、経営コンテキストです。そして、これら3つを合わせた私たちの理念が『US』です。これは、当社グループの変わらないありたい姿であり、価値判断の軸です。

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5BEATSについて1つずつ想いを話す金澤

 

一人ひとりの個性を「社格」にアップデートし、USをもっと磨き続けることが大切です。一人ひとりの努力が本当の形になる。そのような世界を一緒に目指していきたいと思っています。

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変わらないもの「US」を育み続ける決意を話す金澤

 

ここで、投票タイムが設けられました。本イベント再開後は、代表取締役会長 鉢嶺登が総評を行いました。

●鉢嶺による総評

私たちは、オプトを中心にインターネット広告代理事業で成長し続けてきました。しかし、熾烈な競争が繰り広げられ、合従連衡が進んだ結果、現在は業界で大手数社が大きな影響力を有しています。このような環境のなか、社名を変え、DX・IX(Industrial Transformation®)という新しい領域を拡大する方向へと大きく舵を切りました。そして、今日までさまざまな挑戦をグループ各社が行ってきました。8名のプレゼンテーションも、ここに資する取り組みであったことから私は非常に勇気づけられましたし、同時に反省しなければいけないとも思いました。私たち経営陣がもっと本気になって、もっとスピードを上げて、オプトの変革、デジタルホールディングスグループの変革を進め、危機感を持って現場の頑張りに応えなければ、と想いを新たにしました。これに気づかせてくれた、プレゼンターの皆さんには本当に感謝しています。

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危機感を胸に、これからの決意を話す鉢嶺

 

●結果発表

ファイナリストが再びステージに呼び込まれ、いよいよ結果発表です。ステージ上のスクリーンには、審査員投票に続いて社員投票の結果が映し出され、グランプリと準グランプリが決定しました。

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結果が発表され、お互いに褒め讃えるファイナリストたち

●表彰の様子(準・グランプリ)

準グランプリに輝いたのは、パートナー共創チームです。代表者の東、チームメンバーの久保田裕之介がステージに上がり、プレゼンターの野内から賞状と賞金100万円を受け取ります。

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賞金ボードと賞状を高らかに掲げる久保田と東

 

東による受賞コメント

率直な気持ちは悔しいです。またチャレンジします。
いま、横にいる久保田をはじめ、多くのメンバーが出向という、ものすごく難しい環境の中で頑張っています。皆さまには、それぞれが携わるサービスを知ってもらい、応援してもらえると嬉しいです。
新たなチャレンジをまた頑張りましょう。

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悔しさを噛み締めながらも笑顔で話す東

 

久保田による受賞コメント

『New Value Forum』が機会となり、資料をつくる過程で自分たちの価値を改めて見つけることができました。一番大きな価値として再認識できたのは、オプト社員の実行力が通用するし、それによってクライアントのチャレンジの背中を押せていることです。引き続き、一丸となってやっていけたらと思います。

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これまでの過程を振り返りながら受賞の喜びを話す久保田

 

●表彰の様子(グランプリ)

続いて、グランプリの表彰です。CRAIS for Textチームからは、代表者の阿部、チームメンバーの田中宏明(AIソリューション開発部)が、大きな拍手に押され壇上に立ちます。
野内からは、賞状とトロフィーの授与、さらには賞金150万円、副賞として、ドキュメンタリー映像の制作が贈られました。

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野内からトロフィーと賞状が授与される阿部

 

阿部による受賞コメント

このような非常に良い機会、良い賞をいただけて大変光栄です。チーム全員の努力と失敗の過程があったからこその結果です。また、『CRAIS for Text』の盛り上がりは、チームはもちろん広報の皆さんのおかげであり、現場で利用されている皆さんのおかげです。いまも、日々のブラッシュアップや機能追加が行われています。いろいろな方のサポートがあり、受賞することができました。本当にありがとうございました。

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受賞の喜びと周りへの感謝を伝える阿部

 

田中による受賞コメント

阿部さんはMVPにも選ばれたことのある、もともとオプトNo.1のデザイナーです。そんな阿部さんが思い切ってAIに挑戦し、成果を出したことは、本当に素晴らしいことだと感じています。
『CRAIS for Text』に限らず、もっともっと良いプロダクトを開発し、「日本一生成AIを活用している会社」になっていけたら、と思います。

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これからのプロダクト開発への熱い想いを話す田中

 

本イベントもいよいよエンディングです。デジタルホールディングスの未来をけん引する、ルーキー部門ファイナリスト3名、プロフェッショナル部門ファイナリスト5名がステージ上に揃った状態で、野内が閉会の辞を述べ、今年度の本イベントは幕を閉じました。

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笑顔で壇上に並ぶファイナリストと野内

●野内による閉会の辞

今日思ったことは、挑戦している人に触れることは、非常に大切だということです。目の前の仕事や自分が抱えている課題の解決に日々追われていると、ここまで前のめりに挑戦している姿に触れる機会はなかなかありません。皆さんのプレゼンテーションを見て、私自身はまだまだ努力が足りないと思いました。また、皆さんも「もっと頑張れる」と感じられたのなら嬉しく思います。

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一日を振り返り、率直に感じたことを全社員に向けて話す野内

 

ほんの少しの努力と変革で、世の中はどんどん変わっていきます。皆さん一人ひとりも、ちょっとした新しい価値を見つけ、そこに力を注いでもらいたいです。その総力が、当社グループの変革の力になっていくと思います。そして、体現者である登壇者の皆さんには、周りに影響をより与えていただきたいと思います。私たちの新しい価値創造への取り組みは、必ず大きな成果になって返ってくる。そう信じて、これからも一緒に頑張っていきましょう。

●さいごに(運営事務局からのメッセージ)

今年のNew Value Forumは、変化の激しい状況であっても、当社が光り輝き続け、社会を照らすことを信じて「RiSE」をテーマに、創業30周年のグループ社員総会として開催しました。
グループ再編の真っ只中で、人それぞれ壁に直面することもありますが、一人ひとりのWillと当社グループのパーパスの重なりを考える場として本イベントを開催しています。
個人の情熱が人を動かし、組織をも変えていく、その可能性を信じ、これからもグループ一丸となって「新しい価値創造」に取り組んでまいります。