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新たなデジタル広告クリエイティブを生み出すテクノロジーへの挑戦。クリエイティブ表現開発Lab「+do」を牽引する、クリエイターの軌跡と展望

2022.12.19
株式会社オプト
DCP部
端山祐也 Hayama Yuya
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ポストプロダクション、CGプロダクションのディレクター/エディターを経て、2018年より株式会社オプトにジョイン。ダイレクト領域にてバナー制作のディレクションと編集を担当。現在は、フルファネルの一気通貫したコミュニケーション設計を行う。クリエイティブチームでの活動や、テクノロジーとクリエイティブ掛け合わせたデジタルコミュニケーションの新規開発に従事。

※本文は取材当時の情報です。

広告の効果をより高められるよう、既存のクリエイティブに3DCGやAIを活用し、新たな表現手法を模索していくことを目的に誕生したオプトのクリエイティブ表現開発Lab「+do(プラスドゥ)」。2022年12月よりスタートしたこのLabを牽引しているのが、2018年に入社した端山祐也です。「+do」で端山が担う役割や今に至るまでの軌跡、今後の展望、そして、端山がテクノロジーで挑戦する、新たな広告クリエイティブとは。

 

クリエイティブ×テクノロジーでデジタル広告クリエイティブの可能性を広げる

オプトは、2022年12月に新しいクリエイティブ表現開発Lab「+do」を組成し、サービス提供を開始しました。クリエイティブにテクノロジーを掛け合わせ、生活者一人ひとりの趣味嗜好を刺激する広告クリエイティブを創るべく、表現手法を模索している取り組みで、私は開発・研究をほぼ一手に担っています。

3DCGやAI、XRなど、さまざまなテクノロジーをクリエイティブと掛け合わせることで、表現の幅を広げることが可能になります。例えば、3DCGによる撮影、「VIRTUAL SHOOTING」。この開発の背景にはコロナ禍がありました。スタジオでの撮影が難しい状況に陥ったことから、すべて3DCGで完結させられないかと考え始めたんです。

3DCGを活用することで、商品を浮かせたり傾かせたりといった現実離れした表現ができます。商品自体が生きているようにも見え、静止画のクリエイティブでは感じることができない、商品の新たな魅力の発見にも繋がります。
また、スタジオセッティングや小物の手配などの事前準備や掛かる費用も削減できるといったメリットもあります

他にも、AIなどのテクノロジーと掛け合わせた動画バナーの研究開発も面白く、絵だけではなく、入れる音も工夫することで、どれほどのユーザーの方々へ影響を与えられるかといった取り組みも進めています。

デジタルヒューマンの可能性も大きいです。この技術を活用することで、実在の人間のアバター化が実現可能になります。アニメ調に比べると、より人間味を感じやすいため、受け手に対して感情を伴ったアプローチができることが大きなメリットです。企業側がデジタルヒューマンを活用してバーチャルモデルとしての活動、接客業務などにも活かせるほか、ユーザー自身のアバターを作って、バーチャルフィッティングができるようにしていくなど、さまざまな表現を思考しながら開発に取り組んでいます。

 

アーティストの想いが形になる。音響・映像への興味から制作会社へ

今でこそ広告クリエイティブの世界で働いている私ですが、最初に関心を持ったのは音響の仕事でした。高校時代、軽音楽部のメンバーとライブハウスで演奏をしていたことから、PA(パブリックアドレス)やレコーディングなど、裏方の仕事に興味を抱くようになったんです。合わせて、アーティストの想いが形になるプロモーションビデオを好んで見ていたことから、高校卒業後は音響・映像を学べる専門学校へ進学しました。
その後、ファーストキャリアで選んだのは、ライブ映像やミュージックビデオ、テレビCMを多く扱っている会社でした。

最初の1年は編集アシスタントとして、非常に過酷な環境で働いていましたね。教育体制があまり整っておらず、みんな忙しく働いているので、本当に先輩の背中を見て学ぶといった状態。先輩の姿をよく観察して、自分なりのスキルを身に着けていきました。

印象に残っているのは、ドームでの3daysライブの仕事です。リハーサルから本番まですべてに立ち会い、4日間ドームで寝泊まりするような生活。こうしたヘビーな仕事を経験したことで、忍耐力が養われたんじゃないかと思います。このような忙しい労働環境の中で働くことで、仕事の効率化も意識するようになりました。アウトプットの質を高めながらも自分の中にパターン化された型を増やしていったんです。その積み重ねで業務スピードを上げることができ、少しずつ仕事に慣れていきました。

*PA(パブリックアドレス):音を増幅させて声や音を公衆に届けることを目的とした装置のこと

期待を超えるクオリティは、密なコミュニケーションから生まれる。

2年ほど勤めたあと、CG制作会社に転職しました。1社目で出会ったディレクター兼エディターさんの編集ぶり、3DCGを制作する様子を後ろから見ていて、強く憧れを抱いたのがきっかけでした。CGが扱えるようになったら自分の映像表現の仕事に幅を出せるようになると思ったんです。

CGスキルはほぼ皆無といっていい状態で入社したので、入社後は他の人の技術を見て猛勉強したり、チュートリアルサイトを活用したりと、独学でスキルを身に付けていきました。

2~3年が経ったころ、編集・ディレクションを担当することに。ちょうどこの頃、わずかな認識の齟齬から納品物に指摘をいただくことが増えていた時で、円滑な意思疎通をすることに苦戦していました。痛感したのは、クライアントと雑談をすることの重要さです。

微妙なニュアンス、好みまで汲み取れるようになるためには、クライアントを「お客様」として割り切って捉えるのではなく、「パートナー」としてもっと深い信頼関係を築くことが重要だと考えました。ちょっとした確認事項にも電話を積極的にするようになったり、あえて案件の内容とは関係ない仕事の話をしたり、時間ができればアポイントメントを取って会いに行ったり、通話をつないで雑談をしながら作業をしたりといった工夫も重ね、コミュニケーションを密に取るよう意識したんです。

とある地方でのロケでも、クライアントへのヒアリング、希望を汲み取っての提案力が役立ちました。海を背景に演者を撮影し、後から3D合成、VFXが多く絡む案件だったのですが、以前の雑談から少しずつ掴んだクライアントが求めていることや趣味趣向を想像し「こういう見せ方をすれば、よりスタイリッシュになる」など臨機応変にプラスの提案をしました。

悪天候の中撮影した映像では曇り空だったものを、編集スキルでカンカン照りの晴れにしたときには、クライアントに「まるで魔法使いですね!」と喜んでいただけました。
培ってきたスキルとコツコツと続けた努力が形になった気がして、今でもとても印象深い出来事です。
 

*VFX:「Visual Effects」の略。視覚効果という意味を持っている。 実際に現実では目にすることのできない画面効果を実現させるために、特撮を用いる映画やテレビドラマの中で使われる効果のことを指す。

 

端山さん

 

ワークライフバランスを見つめ直したい。その想いからオプトへ

ずっとハードな働き方を続けてきましたが、結婚を機に自分の働き方を見つめ直しました。泊まりでの作業も多かったので、家族にもう少し時間を割ける働き方をしたいと思うようになったんです。転職を検討し始めたところ、元同僚でオプトに転職していた人からお誘いをいただきました。

ちょうど転職時期が、オプトがクリエイターの部署を立ち上げた時でした。1社目で自分が培ってきたテンプレート作りや、編集ノウハウの教育、CGスキルの知見といった面で貢献できることにわくわくしていました。
働いて感じたのは、みんな和気あいあいと意見を出しながら仕事をしていたこと。それぞれが創り出している納品物1つひとつに想いが込められているんです。

転職前は、広告業界は異業種だからと思っていたのですが、「そうではない」と気付きました。広告は、これまでやってきたクリエイティブな仕事にプラスして、マーケティングの視点を掛け合わせる仕事です。成果がユーザーの皆さんの反応の数などで一目瞭然になることに非常にやりがいを感じました。

オプトでの仕事で印象に残っているのは、ゲーム業界の仕事です。初めてお取引したクライアントだったのですが、制作した広告バナーを評価いただき、追加で公式PVの作成依頼をいただくことができたんです。

クオリティを落とさぬよう、市場分析や広告効果につながる訴求・表現のバリエーションの提案、媒体ごとの価値表現の要素抽出などを一つひとつ行いました。社内での意見交換も密にして、自分で実際にゲームをプレイし、ユーザー目線でも捉えられるよう工夫したことが、好評であった要因と考えています。前職で得たCG制作の知見も活かせたため、より自分らしく貢献できた仕事と捉えています。

「何人のユーザーに反応されたか」がすぐに表れるシビアさが、デジタル広告クリエイティブの魅力

デジタル広告のクリエイティブのおもしろさは、結果がデータとして明確になることです。時間や手間をかけることが、必ずしも成果につながるかというと、決してそうではないのが難しさでありおもしろさですね。UGC風の映像のほうが、リアクションも良かった、みたいなことも広告では珍しくありません。

質の高いクリエイティブにはインプットが欠かせません。私はTwitterやFacebookなど、手軽に見られるSNSを常にウォッチし、動画のトンマナやプロモーション手法などのインプットを欠かさないようにしています。SNSではクリエイティブやテック系の投稿が多い人をフォローし、CG専門誌の定期購読もしているほか、SNSで惹かれるものに出会ったときは、スクリーンショットやメモでストックしています。

表現の幅を広げるには、まず見ることが大切だと考えています。様々なデザインやクリエイティブを見て、インスピレーションを受けること大切にしています。

ユーザー側の目線を持っておくことも重要なので、SNSでの流行のチェックや社内での定性的なインタビューも行っています。それらとデジタル広告に対しての数値を掛け合わせ、日々のクリエイティブ制作に活かしています。

*UGC((User Generated Contents)):企業ではなく、一般ユーザーによって制作・生成されたコンテンツのこと。 SNSに投稿された写真や動画、ECサイトのレビューなどのいわば「生活者のリアルな声」を指す。

「+do」で叶える、新しいデジタル広告クリエイティブの表現手法

家族に時間を割ける働き方をしたいと思い転職を決めましたが、ありがたいことに転職後、その願いは叶えられました。フルリモートであるため、毎日の保育園の送り迎えも仕事前や仕事中にスムーズにできる。家族が急に体調不良になっても、臨機応変にケアができるようになったんです。
これまでは出張なども多く案件に対して拘束時間が定められていたため、中々プライベートと仕事を両立しながら働くことが難しかったのですが、オプトに入ってからは仕事だけでなく家族の時間も大切にできています。1歳半の子供の成長過程を見守りつつ、仕事にも全力で向き合うことができる環境には大変感謝しています。

今後も「+do」の取り組みに引き続き注力していき、新しい表現手法を模索し続けたいです。デジタル広告のクリエイティブにおける効果改善に必要な表現手法は、いくつもパターンがあります。クライアントの商品やサービスの魅力を幅広いクリエイティブ表現で伝えていきたい。ひいては、広告に触れたユーザーの心を動かしたい。

テクノロジーの進化が止まらないなかで、インプットとアウトプットを繰り返しながら、私自身のアップデートも怠らずに、日々のクリエイティブ制作に向き合い続けていきたいです。

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