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「新しい価値創造」に挑む事業に寄り添うCFOとして、ホールディングスの企業価値向上を目指す。

2022.04.28
株式会社デジタルホールディングス
グループCFO
加藤 毅之 Kato Takayuki
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2004年  1月 株式会社オプト入社 SEM部の立ち上げに従事
2008年  1月 クロスフィニティ株式会社 取締役
2011年  9月 同社代表取締役
2017年10月 株式会社オプトホールディング(現 株式会社デジタルホールディングス)グループ執行役員
2020年  4月 同社 グループ執行役員 グループCFO

※本文は取材当時の情報です。

2020年4月からグループCFOとしてファイナンス、IR、ITを管掌している加藤毅之。事業を理解し、事業サイドに寄り添うことができるCFOとしての期待を込めて現在の仕事を任されていますが、実は決して器用なタイプではなく、その分、人より時間をかけて仕事に取り組むことを心がけてきたそう。特に人が嫌いそうなこと、苦手そうなことには積極的に手を挙げ、熱心に取り組むことで、独自のポジションを確立してきました。そんな加藤が考える、デジタルホールディングスの使命とCFOとして目指すものとは。

会社の使命を実現するために基盤を整え、やりくりすることがCFOとしての役割

2020年4月にグループCFOに就任しました。私の一番のミッションはデジタルホールディングスの企業価値を向上させていくこと。中でもファイナンスとIR、ITが担当領域です。主な課題は3つ。企業価値向上のために「どこに」「どれだけ」「どのように」資金を投資するのか。投資規律やリターンを緻密にモニタリングできるか。そしてITに関しては、事業がより拡大していく環境をどのように作っていくか、に注力しています。

デジタルホールディングスでは現在「2030年に企業価値1兆円」という目標を掲げていますが、自然な成長だけではこの目標には届きません。どのようにして非連続的な成長を遂げていくのか、そのために金融機関との連携を強め、IXを促進する共創パートナーを上手く発掘し、熱い想いを持った事業家である「情熱オーナー」の的確なアサインが重要です。

デジタルホールディングスは「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する。」というパーパスを定めています。ただし具体的にどういった価値を創造するのか、そしてどの産業を変革するのか、といったところまでは定められていません。逆に言うと、事業会社ではそれらの点を自由に描くことができるので、それぞれの産業変革を目指し、独自の道を見つけて進んでいけるはずです。

これから日本社会は少子高齢化と人口減少の2つの危機が訪れます。グローバルにおける人口減少先進国として、そういった環境の中でも経済成長と豊かな暮らしを実現する。そのための産業変革のプロダクトやサービス、ソリューションを提供していくことが、私たちの使命なのではないか。それを実現するために、強力な企業の基盤を作り、リソースを適切に配分することが、中長期に向けたCFOである私の役割です。

幅広い意味を持つパーパスだからこそ、「こうしていきたい」という想いが実現しやすい

そもそもデジタルホールディングスのパーパスは、当時のCxO4人で合宿を行い、それぞれがどういう価値観を持っているのか、どういったことを成し遂げたいのか、といった内容をディスカッションして、CEOである野内の想いも踏まえながら策定しました。特に皆で合意していたのが「新しい価値創造」であり、この言葉は必ず入れよう、と話していました。

社内の人にとってはパーパスが明確で、詳細までしっかり定義されていた方が分かりやすいですし、これから進む方向も明確なので、安心感はあるのかもしれません。一方で私たちのパーパスは、ある程度幅広く意味を取ることによって、新しく当社に参加した人たちが抱く「これをやりたい」、「こんなことをしていきたい」という想いに対しても、非常に寛容的です。産業を変えたいとか、社会課題を解決したいといった人にとっては、実行に移しやすいパーパスですし、それを後押しする社内環境になっているとも感じます。

社会課題の解決は、デジタルホールディングスにとって非常に大きなテーマです。パーパスは昨今のSDGsの流れを意識して作ったわけではありません。でも、今叫ばれている地球のサステナビリティの流れから見ても、このパーパスは合致していると思います。さらにグローバルな流れ、時代の要請にアジャストしただけの短期的なものではなく、課題に真正面から向き合っていくことができます。

後発の会社を生き残らせるために始めたポジショニング戦略

私はどちらかと言うとナンバーワンよりも、オンリーワンを目指すことが好きです。ナンバーワンということは、レッドオーシャンの中で戦い続けて一番になることです。私は中国の歴史小説をよく読みますが、相手を蹴り落として人々の犠牲の上で、ナンバーワンを目指すことは「本当にいいのかな?」という思いがずっとありました。戦って消耗するのは、純粋に大変だと考えるようになったのです。

だからこそ「どうやったらユニークなポジションを築けるか?」ということを、徹底的に考えました。特にこの考え方にいたったのは、グループ会社での経験が影響しています。2006年に設立されたSEOサービスを提供するクロスフィニティという会社があり、私は2008年に取締役に就任しました。当時、クロスフィニティは完全に出遅れてしまっていて、業界のトップ集団からは程遠い状況でした。そのため、どうやってここから一位、二位、三位というトップを目指すのか、という方法を考えたのです。結論としては、トップ集団が取り組んでいることをひたすら真似て、逆に行っていないことを洗い出し、そこに注力することを基本的な戦略にしました。後発から事業に参入すると、同じことを行っていても勝てませんし、ナンバーワン戦略は取れません。そうすると相手がやっていないこと、相手が注力していないところを一点突破するしか勝ち目がないのです。

一般的に企業がサービスを提供するまでには、いろいろなバリューチェーンがあり、それぞれのバリューチェーンごとに人を投入してサービスを届けています。しかし当時のクロスフィニティは社員の人数も6人と少なかったため、顧客とのコミュニケーションに9割のリソースを投下したのです。なぜ顧客とのコミュニケーションにリソースを集中させたかというと、そこが一番の競争優位性になると思ったからです。そうすると、お金もないし人も少ないけれども、顧客フロントだけで見るとトップの企業とも遜色ないぐらいのレベルになるのです。おかげで他社とも戦えるようになり、最終的にトップ集団に入ることができました。

どこに注力するかを明確にして、徹底的に強くすることで競争力を上げていったのです。もちろん徐々に規模が大きくなるとリソースのバランスを取らなければいけなくなってきますが、最初に急成長を支えたポイントはリソースの集中でした。

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「常に難しい課題と向き合い続けたい」その思いから自ら手を挙げてさまざまなことに挑戦

自分のキャリアを振り返ると、新卒で入った企業が本当に歴史のある、旧来型の組織文化を持つ会社だったため、若いうちから成長することができないのでは、という焦りを感じたことがありました。刺激もなければ楽しさもないし、逆に辛くもなかったという状態だったのです。

だから徹底的に働きたい、誰かから必要とされたい、という思いでデジタルホールディングスの前身であるオプトに転職しました。オプトは今と変わらず、手を挙げればやらせてくれる社風だったので、さまざまなことに挑戦できたと思います。

私は人から怒られてばかりの社員でした。要領はよくないし、数字に強かったわけでもありません。しかし人より劣っていた分、一生懸命頑張ったことが今日につながっている、と思います。できない仕事は、人より時間をかけて取り組みました。特に人が嫌いそうなこと、苦手そうなことには手を挙げて積極的に関わるようにしました。逆にそこにはあまり競争環境がないので、クロスフィニティでも経験したポジショニング戦略が取れるのです。

また現在CFOとして活動しているので、「ファイナンスについては、どうやって身につけたのですか?」と質問されます。私は営業だったので、もちろん最初はファイナンスに関してまったく分かりませんでした。しかしクロスフィニティにジョインした時は私を含めて6人程度の社員しかいなかったので、ファイナンスを含めて勉強しないと仕事が回らなかったのです。自分たちのことは自分たちでやらなくてはいけなかったため、最低限のことはそこで勉強しました。

その後、海外に赴任した際は、現地の経理スタッフのミスが多いという現実に直面しました。もちろん日本と海外では会計事情も違っていて、向こうからすると「間違っていない」と思ったのかもしれませんが、やはりこちらのルールに合わせてもらわないとビジネスが成り立ちませんから、私自身もかなり経理関係をチェックしていました。当然のことながらチェックできるだけの知識を身につけなくてはいけないので、現地の会計事務所に相談や質問していくことで、その分野について学んでいきました。

デジタルホールディングスに戻ってからは、投資に携わる機会がありました。投資はまったく違う知識が必要なため、今のCEOの野内から「勉強しなさい」と言われて、詳しい方のところに行って2ヶ月で13冊の本を読み、さらに学んだことをアウトプットするようにして学びました。また、本を読むのに加えて、日々真横で繰り広げられる実務からも積極的に学びました。こういった学習体験が、今の仕事のベースになっていると思います。
 

事業を理解できるCFOが求められたからこそ、自分の経験が役立つのではないかと考えた

今までは比較的自分から手を挙げて仕事を獲得してきましたが、現在担当しているCFOについては突然打診をされ、最初は非常に驚きました。ファイナンスの方々に率直に質問するようにして、学びながらやっています。

CFOの役割は、CEOによると思います。CEOである野内からは「事業が理解できる、事業に寄り添えるファイナンスを作りたいから、CFOを任せたい」と言われて。私はずっと事業部門で経験を積んできたので、「それならばできます」とお話を受けることにしました。

私は事業に関わっていたからこそ、数字から事業の状態を想像しやすかったですし、逆に事業の状態を聞くと、こういう数字になるだろうという想像ができました。仮に私がずっと財務関係でキャリアを歩んできたとしたら、「事業に寄り添ったファイナンスを作るように」と言われても、難しかったと思います。

事業に寄り添って考えていくと、いろいろな数字の異変に気付くことができます。たとえば「この戦略を掲げてやっているのであれば、この数字はこう変わっていくはずなのに変わっていない。ということは、おそらく事業がうまくいってない」と予想ができます。そのイマジネーションを踏まえて、「ここの数字をもっと改善したら、こちらも良くなるのではないでしょうか?」といった提言ができるようになりたいと思います。

私はCFOとしてはまだ3年目の駆け出しです。これからCFOとしての経験を積んで、企業価値を向上していくミッションを達成していかなくてはいけないですし、そのためにお金のアロケーションを考え、健全なリスクテイクができるようにする。そして、事業がより拡大していくIT環境基盤を築けるよう邁進していきます。

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