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「船を造りたいなら、広大で無限な海への憧れを説けばいい」。 最年少チームマネージャーが考える組織をボトムアップする人材育成とは。

2022.04.12
株式会社オプト
第1営業本部営業5部
西森 智也 Nishimori Tomoya
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2019年に新卒でオプトに入社。マーケティングマネジメント部に配属後、広告運用コンサルタントの部署に異動。EC通販業界に向き合う広告運用コンサルタントとして業務に従事。2021年より、チームマネージャーとOJTトレーナーを務める。チームマネージャー就任はオプトで最年少。下期にはベストトレーナー賞を受賞。

自身のOJTトレーニーの指導にとどまらず、新卒メンバー全員への教育が評価され、株式会社オプトの2021年下期のベストトレーナー賞を受賞した西森智也。新卒メンバーからは「西森さんみたいになりたい」という声が多く上がっているという。西森が考える人材育成への想いとは。

 

お客様に選んでいただける理由を誰よりも考え続ける

私は子どもの頃からずっと教員志望で、教員免許も取得しました。しかし大学4年生のとき、ビジネスの世界を全く知らないまま、学校教育の世界に足を踏み入れることに不安を感じて。ビジネスの世界で挑戦する人生を歩みたいと思い、就職活動を始めました。

そこで出会ったのがオプトです。特にやりたい仕事がなかった私としては、業界全体が伸びていて、かつキャリアの選択肢が広がっている会社が向いていると考えていました。オプトは手を挙げればやりたいことが叶う文化があり、自分にぴったりだと感じました。最初に内定をいただいた後、ほかの選考はすべて辞退し、オプトへの入社を決めました。

現在は、広告運用コンサルタントの仕事をしています。仕事において意識しているのは、競合優位性です。広告代理の仕事は、作業の代替のように認識されることもあり、お客様からすれば、どの会社に頼んでも同じと考えているケースも少なくありません。新しい事例を生み出したりすることで競合優位性を高め、お客様に選んでいただける理由を誰よりも考え続けることが大切だと考えています。

 

背中を見せるだけでなく、リアルなコミュニケーションで伝える

入社3年目に、チームマネージャーとOJTトレーナーに任命されました。3年目でのチームマネージャー就任は最年少です。もし自分がチームマネージャーとして成果を出せなければ、会社側からしたら「やっぱり3年目には任せられない」という負の事例となってしまいます。どうすればいいか、とにかく考えました。

私が学生時代から教育論として大事にしているのが、『星の王子様』で有名なサン・テグジュペリの言葉「船を造りたいのなら、男たちに木材を集めさせたり、仕事を割り振り、命令したりする必要はない。代わりに、彼らに広大で無限な海への憧れを説けばいい」です。どれだけがんばったとしても、自分の意思で行動を続けられる人には敵いません。私自身の実感としても、身にしみて理解できる言葉でした。特にこの仕事は代理業という性質上、ただ言われたことをやっているだけだと、どんどんつまらなくなってしまいます。方法論を並べるよりも、いかに広告運用が楽しい仕事なのか、運用成果を出せることに誇りを持っているかを結果や仕事への向き合い方で示すことが自分の役割だと考えていました。

管理の仕事は、もっと年上で私が憧れる先輩たちがいます。若手チームマネージャーとしての自分のミッションは、誰よりも早く成果を上げて、かつ楽しそうに仕事をしている、若手にとって目標となる存在になることだと考えました。経験・知識ともに足りておらず、実力不足を感じる毎日でしたが、「結果や姿勢で示す」と決意していた私は毎日背伸びをし続けていました。

そんなとき、執行役員の竹内さんとの面談がありました。自分が実践しているマネジメントを語ると、思いがけない反応が返ってきました。「西森が競合優位性を作れる人間であることは信じている。西森個人が競合と対峙して勝っていたとしても組織として常に優位に立てることには繋がらない。誰が勝負しても勝てるようにしないと、西森が掲げる理想は実現できないかもね」と教えていただきました。目が覚める思いでした。自分は、仕事のやりがいを見せることが使命だと思っていたけれど、それだけでは組織はボトムアップできません。マネージャーとして、組織全体のために何ができるのか。再度、考えを巡らせました。

私の教育論である「海への憧れを説くこと」はきっと間違いではない。ただそれを結果や姿勢で示すこと以外にも自分にできることがあるはずだ。そう考えた私は、まずは新卒と積極的にコミュニケーションを取ることから始めました。それからは、自分が担当するトレーニーだけでなく、21卒全員への教育に携わるようになりました。単にHowを教えるのではなく、なぜこの仕事に就きたいと思ったのかの根本的な想いを問いかけ、一人ひとりがやりがいや憧れをもって仕事をできるように、声がけをしていきました。

 

突き放した末にあった成長

OJTトレーナーとしても、この教育論をモットーに関係性を築きました。私の担当トレーニーは、おとなしめな性格ながら、配属当初から「お金をもらって働いているから、成果として価値を返さなければいけない」という社会人としての心得を持っていて。能力面も長けており、非常に優秀な人材でした。一方で、自身が持つ基準値が高いゆえに、自信がなく、消極的な面がありました。

入社から4か月が経ち、彼女自身はすでに実力がついているにもかかわらず、「西森さん、これで大丈夫ですか?」と何度も確認してきたことがありました。このままでは、彼女にとって仕事が他人本位の「作業」となり、つまらないものとなってしまうと考えた私は、「あなたならもう判断できるはずだ。いつまでも僕の確認を挟むのは、守りの姿勢ではないか。」とあえて突き放しました。その時、彼女は泣き出してしまったのですが、後から聞いた話によると、その日はちょうど新卒の全体研修で、何人かの新卒メンバーが「西森さんのようになりたい」と宣言していたそう。自分は恵まれた環境にいるのに、どうしてできないのかと、思いつめてしまったようです。

とはいえ、それまでも1対1のコミュニケーションをしっかりと取れていたため、一度叱ったことで関係性が崩れることはありませんでした。彼女からは、その後も何度も弱音を聞きました。でも、弱音には向き合わないと決めていました。人に言われるからやるのではなく、自分がやりたいからやるんだという意識を持って欲しかったからです。彼女から話を聞いた後、最後に「じゃあどうするの?」と聞くと、彼女は「がんばります。」という。私はそれを聞いて、「じゃあがんばれ。」と送り返す。このやりとりを何度も繰り返しました。

OJT期間が終盤に近づいた頃、彼女に大型のクライアントを担当してもらいました。年間計画を出すとき、彼女は自信に満ちた表情で、「私はこれでいきたいです。」と語りました。かつその提案は、僕が想定している以上によく練られていて、クライアント目線のある質が高いものでした。素直に「負けたな」と思いました。私が何かを教えたからというよりは、彼女が自分自身と向き合って乗り越えた成果だと思います。彼女が新人賞を取ったことも心から嬉しかったですね。正直、彼女が取れなかったら自分のせいだと考えていました。この状況に至るまでは本当に大変だったでしょうし、諦めずによくがんばってくれたと思います。

 

自分がお世話になった分、恩送りをしていく

私が新卒の教育に力を入れることができたのは、オプトの教育制度や社内文化による面も大きいです。まずは、恩送りの文化です。私も新卒のとき、先輩方には本当にお世話になりました。そして先輩方からは「次の世代に返してくれ」と何度も言い聞かされました。自分がお世話になったから、それを返さなければいけない。これは大きなモチベーションでした。

また、オプトには新卒をみんなで育てる文化があります。僕がほかの新卒メンバー全員の育成に携わりはじめたときも、ほかのOJTトレーナーも歓迎してくれました。自分が抱えている新卒メンバーには、いろんな先輩と関わってもらいたいという人が多かったんです。中には「ぜひ西森さんに会ってもらいたい」とお願いされるケースもありました。

制度も整っています。OJTの相手は、性格診断に基づいたデータから親和性が高い相手と組み合わせています。私自身、彼女と関わる中で、性格面が似ているなと感じましたし、非常にやりやすかったです。また、それぞれの診断結果に基づいて、コミュニケーションにおいてどのようなところに気をつけるべきか人事から説明をもらう機会もありました。その通りのコミュニケーションが非常にうまくいった実感があります。

一方で課題としては、OJT中心の教育制度であるため属人的な面が否めないことです。どんなトレーナーの配属になるかで、新卒の今後が変わってきます。特にリモートワークが中心で人と人とのつながりが薄くなっている今、トレーナーとの関係性のみで、選択肢を狭めることがないようにしなければなりません。

ただ、私が新卒の頃と比べて仕組みがかなり整ってきたと感じています。データを用いたマッチングのほかにも、コミュニケーションが内に閉じないような仕組みもあります。その結果、21卒は研修期間中の退職者は0人でした。今後も時代に合わせながら、育成方法をさらにブラッシュアップしていきたいです。

 

これからの後輩とつくる未来が楽しみ

正直なところ、ベストトレーナー賞を受賞したこと自体に、それほど喜びはありません。一番大切なのは、新卒のメンバーたちがこれから数年かけて成長し、成果を出すことだからです。大海原に旅立ったこれから、彼らがどう成長していくのかが楽しみです。

マネージャーとOJT、はじめてのことに取り組んだこの1年は、試行錯誤の連続でした。私はまだ、「西森さんみたいになりたい」と言ってもらえるような人間ではないと思っています。でも、やりがいを持って働いている先輩像を後輩たちに見せたいと、背伸びをしてでも、憧れとなれるような自分を演じていました。その結果、自分のなりたい姿に近づいたように思います。今から振り返ると無理をしていたけれど、その無理のおかげで今の自分の成長につながっていると感じます。

今後の目標は、広告運用コンサルタントの仕事を面白いと思ってもらえる人を増やすことです。いいサイクルが生まれれば、成長も加速するはずです。キーとなるのは、独自性。独自性ができれば、勝手に仕事が面白くなるし、やりがいも増え、そして成果につながっていくと思います。今後も周囲に広大な海の魅力を伝え続けることで、自分の役割を果たしていきたいです。

 

【左:2021年新卒トレーニー(押久保 響) / 右:OJT担当(西森 智也)】