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広告に限らない、デジタルの力を活かした多方面からの支援を。コロナ禍における有店舗事業者のDX推進。原動力は顧客愛。

2021.12.16
株式会社コネクトム
執行役員
松本 恵司 Matsumoto Keiji
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大学卒業後、2010年株式会社オプトに新卒入社。入社後、一貫して営業職に従事、2015年にはアプリマーケティングの専門組織の立ち上げにも参画。2017年にスマートデバイスセールス部の部長に就任。2019年からは営業組織の最大規模の部署長として牽引。ナショナルクライアントのデジタルシフトやB2B SaaS企業の大型プロモーションなどを多数担当。2021年からはコネクトム社執行役員として、マーケティング・セールス、CS領域を管掌。

※本文は取材当時の情報です。2024年4月1日より、株式会社コネクトムは、株式会社オプトに統合しております。

※本文は取材当時の情報です。2024年4月1日より、株式会社コネクトムは、株式会社オプトに統合しております。

飲食店などの有店舗事業者向けに、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)などで公開される店舗情報を一元管理できるSaaSサービス「toSTORE Local Search.」。運営元であるコネクトムで執行役員を務める松本恵司は、オプトの営業担当として成果を残しながらも、「マーケティングだけでは解決できないことがある」との危機感からグループ内での新たなチャレンジを決意します。逆境でも成果を出し続ける松本が新しい挑戦に取り組む想いとは。

ユーザー視点・顧客愛を追求した営業

私がオプトに入社したのは、挑戦する環境として魅力を感じたからでした。当時はリーマンショックの影響で就職氷河期と言われていましたが、スマホ黎明期のIT市場は非常に伸びており、その中でも無借金経営で急成長し、次の機会に投資できるオプトの環境は非常に魅力的でした。

また、当時部長の決裁で一人自由に採用できる「侍制度」という制度があり、現グループCOOの金澤に引っ張ってもらったことも入社を決めた大きな要因でした。面接したその場で、人事に電話をして内定承諾書を持ってきてもらうというあまりのスピード感に、すごい会社だなと驚きました。「全て自分の責任になるけれど、それでも松本のポテンシャルにかけてみたい」と声をかけてもらい、嬉し泣きした記憶があります。

ところが、実際に配属されたのは金澤とは別の部署、モバイルメディアのセールスをする部署でした。部署内の他のチームがプロパー中心の中、そのチームは中途社員の方が中心で個性の強いメンバーが多い少数精鋭のユニークな環境。中でも、上司の黒瀬には営業のいろはを叩きこまれました。
その部署が扱うフィーチャーフォンは縮小傾向だったのですが、黒瀬はどんな状況でも弱音を吐かずにポジティブでいる。何か熱い言葉をかけられたりするわけではないのですが、とにかく背中で語るタイプで、そういう人に人が集まるんだなと思いましたし、ビジネスパーソンとしても影響を受けている部分が多いです。

2年目になり、金澤の元で働きたいと直談判し営業部に異動しました。新卒の営業として経験や知識が浅いこともあり、顧客愛やユーザー視点については誰よりもこだわりました。エンタメや情報通信分野の担当になったので、ゲームや電子書籍など顧客企業が出しているサービスは有料であっても必ず登録していましたし、競合サービス含めて、とにかくやり込みました。顧客の支援をするのにお客様のことがわからないと信頼してもらえない、シンプルにそう考えていました。ありがたいことに顧客の皆様には非常に可愛がっていただき、プライベートでも交流させていただいたり、私の結婚式にも参列いただいたり、営業担当としてだけでなく、一人のビジネスパーソンとしてお客様に育ててもらいました。

スマホ市場への出遅れ、最後発からの巻き返し

私が所属していたモバイルセールス部は、フィーチャーフォン向けの広告をメインに扱っていました。その後スマートフォンの急拡大により、他社がスマホ及びアプリ広告専門の部署や子会社を立ち上げる中、オプトではPCメディア部と統合するという意思決定を行い、結果的にスマホ市場に出遅れてしまいました。そんな中、2015年に最後発でもスマホの専門部隊を立ち上げるべきだという意見が社内で上がり、1年目の上司だった黒瀬が部長になり、私も営業担当として立ち上げに参画することになりました。

最初は本当に大変でした。アプリ広告の主要媒体とも契約がない状況でしたし、お客様に提供するものすらない状況からのスタートでした。「御社は実績がないですよね」「オプトさんがアプリやるんですか?」と話を聞いてもらえないこともあり、とにかく最初は強み作りと独自のサービス作りに奔走しました。提案をした後は、そのフィードバックをいただき少しずつ精度をあげていく。多い時には、毎週コンペに参加し提案を繰り返しました。
そんな中、立ち上げ3ヶ月後に初めてコンペで勝つことができたんです。アプリ専業の競合代理店に勝つことができ、やっと得た機会でした。一連の経験を通して、ゼロからのスタートであっても、最後発の自分たちにも参入するきっかけを作り出せるスキルがあることを証明できたことが嬉しかったです。

ユーザー体験を軸にした価値提供を

実際のお取引が始まったのは、お客様が初めてマーケティング予算を使用してアプリプロモーションを行うタイミングでした。モビリティ業界のお客様だったのですが、とにかくメンバー全員でお客様のサービスを徹底的に使用しましたね。実際に、アプリを使って会社前に配車をお願いしたこともあります。ユーザーとしてアプリを使うことで、新たな気づきがある。新たな気づきは、アイデアに繋がります。「ユーザー目線でアプリの良さを伝えるには、広告でどのように表現したらいいか?」営業やコンサル、クリエイティブメンバーがチーム一体となって考え抜いていきました。

2019年、オプトの中でも大きな分野で複数業界を担当する3つの部を統合することになり、新たに組成される部の部長を任されることになりました。その部署は、担当業界が複数あったこともあり、ブランド認知も含めた新商品のローンチプロモーションやアプリを活用したプロモーション、ダイレクトマーケティングにCRMを中心とした既存顧客向け施策など、それぞれの業界に応じて多種多様なニーズに沿った支援をしていました。

印象に残っているのは、ある大手エネルギー企業の新商品キャンペーンです。そのキャンペーンは、デジタル施策と合わせて店頭プロモーションなどオフラインでのコミュニケーション施策も行いました。その際も、まずはユーザー体験をするために、実際に何度も店舗に足を運びました。
休日にチームメンバーと一緒に、ドライブも兼ねて15店舗ほど回ったのも鮮明に覚えています。ポスターやPOP作りも任されていたので、道路沿い~トイレのポスターまで徹底的にチェック。「店舗の導線はどうなっているのか?」「店舗のどこにポスターがあれば、より気づきやすいか?」「どういったクリエイティブであれば、ユーザーにその価値を届けることができるか?」などユーザー視点を大切にしていました。

そうしたユーザー体験を常に考え続けると、ユーザーに最適なサービスを提供するためには、店頭での接客も欠かせないことに気づきました。そこで、本来の支援範囲でもあったユーザーへのプロモーション施策に加え、店舗にいる従業員の方に向け研修動画を作成するなど接客に関する支援も行いました。
どんなに素晴らしいサービスであっても、従業員の方がサービスを熟知していないと広めることができない。従業員の方がセールスしやすいように、マニュアルを作成し、全国の店舗に送付。見て楽しめる社内向けのトレーニング動画も作成しました。
ユーザーだけでなく、従業員の方含めたコミュニケーション設計はとてもやりがいを感じましたね。
結果、約9ヵ月間のキャンペーンであったにも関わらず、6ヵ月で目標としていた数値を達成。お客様と私たちが一緒に作り上げてきたものが全国にローンチされた際は、感動しましたし、何よりお客様の売上に貢献できたことが嬉しかったです。

たくさんの仕事を通して、徹底的にユーザー目線でコミュニケーション設計することの大切さを痛感しています。

コロナを機に、自分の無力さを見つめ直した

1つ1つの仕事を全力で行っていくのはすごく楽しい反面、当時、全社売上の1/4を超える規模を担っていた部署でプレッシャーは計り知れなかったです。
また、元々別の組織から集まったメンバー21人で構成されていたこともあり、組織のベクトルを合わせていくことにも苦労しました。マネージャーとの意思疎通を行いながら、試行錯誤の日々でした。

そんな中、2020年にコロナ禍に突入し、自部署のほぼ全ての業種のお客様に甚大な影響がでました。広告費が昨対で大幅に減少したり、マーケティング担当者の方の仕事がなくなり他の部署に異動されたり、これまででは考えられないようなことが起きました。

これまで、広告やデジタルマーケティングがお客様の事業課題を解決できるソリューションだと過信している点があった私にとって、コロナ禍での変化は大きな衝撃でした。デジタルマーケティングだけでは解決できない問題は山ほどある。このままでは、この窮地に自分は何もできない。自分の弱さに、危機感を抱きました。

タイミングを同じくして、デジタルホールディングス全体が産業変革を掲げて方向性を転換することになりました。先のように、既存のデジタルマーケティングを軸とした解決策に限界を感じていたこともあり、新しい方針は非常に腹落ちしました。同時に、グループ内でこれだけ色々な取り組みを行っているのだから、マーケティングに限らない、デジタルの力を活かした様々な支援を他の分野でも行いたいと考えるようになりました。

ちょうどそんな時に、コネクトムの前社長久米田から執行役員として一緒に仕事をしないかという相談をもらいました。コネクトム自体、飲食店など有店舗事業者向けの広告提供をSaaS提供に切り替えたタイミング。個人的に、スマホ専門部署立ち上げの経験から、逆境で得られるものの大きさを感じていたので、新たな強みを創出できる機会になることを信じ、コネクトムへの参画を決めました。

有店舗事業者のライフスタイルが変わるほどの価値提供を

コネクトムでは、「知りたい」と「伝えたい」をつなぐ発見の接点を生み出すというミッションの元、飲食業や小売業、各種サービス業を中心とする有店舗事業者の皆様に、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)などで公開される店舗情報を一元管理できるSaaS「toSTORE Local Search.」を提供しています。Googleサービス(Google検索やGoogleマップ)上に表示される営業時間やお知らせを一括で更新することや、投稿機能を活用した集客支援、クチコミ管理などを一元管理することで業務負荷を軽減し人的工数の削減を行い、有店舗事業者様のDX推進をサポートしています。

私自身、広告支援が中心だったことからSaaS事業に変わり、試行錯誤の日々です。SaaSは物売りの営業だと思われがちですが、重要なのは新卒時代から変わらず「ユーザー視点で物事を考えること」に尽きると思います。お客様の課題を正しく捉えた上で、自社サービスが最適な選択肢でないのであれば、他のソリューションにお繋ぎしても良い。商材が変わっても固執することなくお客様と向き合っていきたい。コネクトムのメンバーにもそのことは丁寧に伝えてきました。そういう意味では、今のチームが市場や顧客に向き合えるようになってきた、事業に熱狂できるチームになってきたことは一つの収穫です。

とはいえ、私たちが目指すのは産業変革。「toSTORE Local Search.」は確かに有店舗事業者の業務プロセスの負を解決していますが、それは氷山の一角です。今後は、もっと踏み込んで店舗で働く人の労働環境や生産性、評価制度などへ拡大し、究極、働く人のライフスタイルすら変えていくサービスを提供したい。そこまで伴走できてこそ、産業変革を達成したと言えるはず。そのためにも有店舗事業者の方々ととことん向き合って、課題解決につながる新しいソリューションを展開していこうと思います。