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商品やサービスの価値を、世の中に「正しく」伝えていく。社会状況の変化に寄り添い、好意を得られる広告を生み出す。

2020.10.15
株式会社オプト
ブランドクリエイティブ部 部長/クリエイティブディレクター
高田勝義 TAKADA KATSUYOSHI
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1994年より眞木準氏のアシスタントコピーライターとして活動開始。フリーランスのコピーライターを経て、2004年に株式会社東急エージェンシー入社。クリエイティブディレクターとして、TVCMを中心にオールメディアでのプロモーションを担当。2018年に株式会社オプト入社。エネルギー業界企業をはじめデジタルを中心としたブランド広告のクリエイティブ部門を牽引。

※本文は取材当時の情報です。

国際的な広告祭で審査員を務めるなど、オプトを代表するクリエイティブディレクターの高田勝義。日本を代表するコピーライターである眞木準氏に師事してキャリアをスタートさせ、大手広告代理店などで経験を積んできました。そんな高田が株式会社オプトに入社した理由とは?高田が考える広告コミュニケーションにおけるデジタルの可能性、そしてこれからの広告の在り方に迫りました。

使える武器を多様化していきたい

2018年、オプトへの入社を決意したのは、当時、デジタルエージェンシーを標榜していたオプトでなら、自身のクリエイティブの幅を拡げられるのではないかと感じたからでした。

私は長年、コピーライターやクリエイティブディレクターとして、フリーランスや広告代理店の立場で活動してきました。主にマス広告を活用して企業と消費者のコミュニケーション施策を考えてきましたが、インターネットの普及で、SNSなどのデジタルメディアの重要性が年々高まっている中、オンラインとオフラインをボーダーレスにするようなコミュニケーション施策が有効なシーンが増えてきていると感じていたんです。自分としてもデジタルを新しい武器にして、クリエイティブの幅を拡げたいと思っていました。しかし、オプトに入社する以前に所属していた広告代理店はとても大きな組織で、従来の広告を扱う部署と、デジタルを担当する部署が別れてしまっていたため、新しい時代に即したコミュニケーションを考え、実行していくことに難しさを感じていたんです。

一方のオプトは、インターネット広告を起点としてマーケティングビジネスを拡大してきた会社です。ベースにはデジタルがあり、オンラインとオフラインをシームレスにつなげる土壌がありました。オンラインの知見がある私にとっては、その自由度に強く惹かれました。

「効果が出るクリエイティブ」を実践する

現在は、ブランドクリエイティブ部の部長として、10名のクリエイターをまとめています。お客様と共に戦略を立てるところから、アウトプットまで一貫して携わり、クリエイティブの力でお客様の目標達成に向けたプロモーション支援をしています。

ある大手エネルギー企業の新商品キャンペーンで、オフラインとオンラインをつないだ商品プロモーションを実行したときには、お客様と継続的なお取り組みにつながるよい関係を築くことができました。

そのキャンペーンは、半分がデジタル、半分が店頭プロモーションなどオフラインでのコミュニケーション施策に当てるというものでした。広告費の半分をオフラインに当てるというのは、オプトとしても前例のない案件でした。しかし、私が常にこだわっているのは「効果が出るクリエイティブ」を送り出すこと。この件では、お客様の店舗、つまりオフラインに広告を置き、デジタル上のプロモーションと相乗効果を発揮させることが重要であり、お客様からも要望いただいていたポイントでした。

商品自体は便利なものですが、差別化が難しいため、素早く商品のシェアを拡大する必要がありました。他社商品と比べていかにファンになってもらうか、信頼してもらうかが鍵になりました。そこで、メインターゲットと親和性の高い版権キャラクターなどを使って広告を打ち出しました。あとは、シンプルに機能を伝え商品の良さを分かってもらえれば、世の中のニーズにマッチするだろうと考えました。

結果、約9ヵ月間のキャンペーンであったにも関わらず、6ヵ月で目標としていた数値を達成。広告に予想以上の反響があり、途中で商品数が足りなくなって広告を打ち切るという、異例のハプニングもありました。

 
高田が支援したプロモーション事例:ENEOSグループが提供する「EneKey」

 

この結果から、その後も継続してプロモーションを行うことになり、現在は3年目の打ち出し方について協議しているところです。マス中心のプロモーションをしてきたクライアント企業において、商品のデビューキャンペーンから成果を出し、その後長期的に関わることができていることは、一つの成果と言えるでしょう。お客様にとっては、この案件が初めての大々的なデジタルプロモーションだったのですが、これをきっかけに、他ブランドのプロモーションも、オプトにご依頼頂くことになりました。

広告は社会に必要なものなのか?

私は、学生時代からずっとコピーライターになりたいと思っていました。それは、純粋に文章を書いて生きていけたらという想いがあったからです。しかし、念願のコピーライターになってすぐ、自分の仕事は本当に社会に必要とされているのか、自身に問う場面が訪れました。それが、1995年の阪神・淡路大震災です。

当時、私はコピーライターとして活動を始めたばかりでした。震災が起きて、たくさんの人が元の生活を取り戻そうと苦労している中、自分が社会に提供できる価値とは何なのか考えるようになったんです。例えば建築や流通、食品業界などは、目に見えて社会に貢献している仕事だと言えます。そんな仕事を目の当たりにして、広告は本当に必要なのか?何のために自分がこの仕事をしているのか?と考える日々。これからもこの仕事を続けるからには、その答えが必要だと思ったのです。世の中の役に立たなければいけない。そうでなければ、いずれ社会から必要とされなくなるだろう、と。

そこで私がたどり着いた答えは、広告はビジネス活動であり、経済を動かすものであるという考えでした。広告の役割とは、ある商品やサービスの価値を、世の中に「正しく」問うことです。世の中に求められている商品を「これが必要ですよね?」と広告で再認識してもらう。それによって、商品の生産性を正しく保つのが、良い広告の在り方だと思っています。つまり、経済の動きをより効率良く、正しく導くことができるのが、広告なのです。逆に言うと、世の中に求められていない商品を、広告の力だけで広めてしまうのは、企業にとって伸びない事業に投資することになり、良い広告とは言えません。

デジタルの力で、受け手の感情に寄り添う

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で経済活動が鈍っている中、広告が提供できる価値を今一度見つめなおす機会が来ていると思っています。

もちろん手法としても、リアルでのコミュニケーションが難しくなっている今、テクノロジーの力でコミュニケーションをより多角化していくことが求められるでしょう。そんな中で、いかに効率的に商品やサービスを、それを求める消費者に届けられるかが、企業の課題になっています。それを解決するために、我々はクリエイティブの力で、効率の良い広告コミュニケーションを実現していかなければいけません。

そうした状況下で、私個人としての目標は、より世の中から好意を持ってもらえる広告を生み出していくことです。広告というのは、どれだけ精度の高いターゲティングをしても、受け手にとって邪魔な存在になってしまうことは否めません。それでも、広告を受け取るわずか30秒ほどの時間を、少しでも良い時間として受け取ってもらえればと思っています。

そのためには、政治や災害を含む社会環境など、そのときの受け手の状況に寄り添って広告コミュニケーションを取ることが欠かせません。そして、受け手の状況に素早く寄り添うことができるのが、デジタルの力だと思っています。

今まではテレビなどのマス媒体が広告の基本でしたが、これからはデジタルがそこに置き換わっていくでしょう。だからこそ、デジタルをベースに活用し、発展させていく力が必要になります。広告コミュニケーションの根本は昔から変わっておらず、これからも変わらないと思っていますが、使えるツールが増えていく中で、それをいかに組み合わせ、上手く使いこなしていくかが問われています。

オプトは柔軟性のある会社なので、自分で色々な素材をミックスしてつくり上げていきたい人には、面白い環境だと思います。言われたことをやるのではなく、自発的に課題を見つけて取り組める人にとっては、学べることがたくさんある会社です。その中で私も、手段を変えながら良い広告を生み出し、企業の経済活動に貢献していきたいです。その時々で社会が求めるものを生み出すために、自身も変化し続けていきたいと思います。