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デジタル領域に付加価値を生むのは、人の力。最後までやりきる、実現力のある人財を育てたい

2020.09.02
株式会社オプト
上席執行役員
前村真之介 Maemura Shinnosuke
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2006年オプト(現デジタルホールディングス)入社。クリエイティブのプランニング・ディレクション業務を経て、2011年より大手総合代理店に出向。デジタルメディア、クリエイティブのプランニング業務に従事。2014年にオプトへ帰任し、マーケティング・クリエイティブを中心に組織の立ち上げに参画。2019年4月より株式会社オプト 執行役員に就任しマーケティング事業を管掌。2020年には同社上席執行役員に就任。

株式会社オプトの上席執行役員として、マーケティング事業を管掌する前村真之介。デザイナーとしてキャリアをスタートした後、当時業務提携をしていた電通に出向し、プランニング業務に従事するなど、活躍の幅を広げてきました。自身の好奇心を元にキャリアを築いてきたと話す前村が、今最も関心を持っていることとは。そしてオプトのマーケティング事業を担っていく上で、力を注いでいくこととは?

デジタルの価値を社会に伝える

デザイナーとして株式会社オプトに入社したのが、2006年です。学生時代からフリーランスでWebや紙媒体のデザインの仕事をしており、その当時に派遣会社を通じてオプトを知りました。当時からデザイナーとしてキャリアを伸ばしたいと考えていたわけではなかったため、インターネット広告分野で成長するオプトの環境に強く惹かれたんです。

オプトで約3年間広告デザインに携わった後、ディレクターを務めることになり、その後マネージャー職に就きました。もともと、一つのスキルを深く突き詰めていくことよりも、関わる仕事のスケールを大きくしていくことに関心があったんです。マネージャー職もそうした視点で臨み、その後、もっと違う場所でキャリアの幅を広げてみたいという想いから、2011年に、当時業務提携をしていた電通に出向しました。

出向先では、ダイレクトマーケティング部に所属し、これまでのディレクターという枠を越えて、クリエイティブと同時に広告のプランニング業務にも関わりました。配属されてすぐ、取引先企業の新ブランドのディレクションを任されるなど、仕事はハードでしたね。でも、部署のメンバーは皆すごくモチベーションが高かったんです。それは、自分達はデジタルという最先端の分野に関わっているという自負があったから。デジタルを活用したインターネット広告には、今までのマス広告では充分にできなかった効果測定という新しい価値がある。みなそのことを肌で感じていたのです。しかし、市場価値が高まっていくであろう領域に取り組んでいるにも関わらず、当時はマス広告の仕事に比べて、まだ評価されないという印象がありました。デジタルの真の価値がまだ市場に認められていなかったのです。

そこで、オプトに帰任したらまず、こういったデジタル業界の姿を変えたいと思いました。デジタル業界で広告のビジネスモデルに頼っているだけでは、デジタルの価値を社会や生活者に伝えていくことできない。この業界で働く人たちもとしても働きがいや正当な対価を得ることは難しい。それならば、この業界で広告以外にも新しい付加価値をつくらなければと考えたんです。

人の力で利益を生むのが、マーケティング事業

オプトに帰任後は、プランニングの部署に配属されました。その後、マネージャー、部長職に就任。部長になってからは、競合に負けていた事業の立て直しや、デザイン組織の立ち上げなどを行いました。常に仕事の規模をより大きく、そして、広告以外の付加価値を作ることを意識し仕事をしてきました。2019年には執行役員となり、2020年にはオプトの上席執行役員に就任し、現在はマーケティング事業を統括しています。

マーケティング事業の役割は、お客様のビジネスの全体像をきちんと捉えた上で、様々なデジタル支援をすること。まさに広告以外の付加価値を生み出す領域。近年、お客様のデジタルに関する悩みをお聞きすると、広告だけでなく、マーケティングやビジネスモデルそのものへのデジタル活用を検討されているケースが多くあります。我々も、お客様と対話しながら、事業成長そのものを目指し、幅広い施策を提案し実行支援しています。

オプトは、2030年を見据えた中期経営計画の中で、大きく3事業に注力することとしています。1つ目がDX(デジタルトランスフォーメーション)事業、そして2つ目がマーケティング事業、3つ目に従来強みとしてきた広告代理営業をするアド事業です。現段階では、3事業がそれぞれ独立して利益を生むことを目指しています。

この3事業におけるビジネスモデルは、全く異なります。DX事業は、主に事業変革のためのサービス開発で利益を生み、マーケティング事業は、データを活用し人の力によって利益を生むもの。アド事業は、広告を打つことで利益をもたらすものです。特にマーケティング事業は、一人当たりいくら価値を生み出せるかで利益が決まってくるので、ビジネスモデルとしては、コンサル会社に近いとも言えますね。それをマーケティングという広い視点で見て、足りないスキルを磨き、個々の力を上げていくのが、私の仕事です。

データを強みに、より良い顧客体験を提供

マーケティングで大事なことは、企業と顧客間に良質な関係性を築き、且つそれを永続的に保つことです。だから、私がマーケティング事業の中で目指すのは、データを活用して顧客体験をいかに良くするかということ。サービスを受けたり、モノを買ったりするときの不便さ、ストレスを排除し、顧客体験をより良いものにしたいんです。

顧客体験を良くするためには、データを活用し顧客を可視化していくかが重要です。リアルでは店舗が顧客接点の場、デジタルではWEBサイトだけでなくSNSもその役割を果たします。メールやLINEもそうですね。つまり、広告以外の領域で、いかにLTV(顧客生涯価値)を上げていくかが、私達のミッションだと言えます。

こうした中でオプトの強みは、やはりデータの活用力とその知見にあると言えるでしょう。顧客体験を良くするためにどうすべきかを、単にイメージでプランニングするのではなく、常にデータを軸に考え、施策を実行するのです。

オプトは、従来、主に広告領域、つまりデジタルの世界でデータ活用のノウハウを蓄積してきました。そのノウハウはいまリアルにも応用できます。なぜなら、IoT等のテクノロジーの活用で消費者のリアルな行動も、デジタルのデータに変換することが可能だからです。顧客像をより明確にし、一人一人に合わせた顧客体験の提供が可能になっていくのです。

責任と覚悟を持ってやりきる力を

役員の中で、自分の役割は新しい価値を創造することだと思っています。それは私が常に意識してきたことであり、今でも最も興味を持っている部分です。今までも私は、自身の好奇心が赴く方向へ進んできました。「ここに新しい価値がありそうだ」と感じた所へ飛び込んで、何とかやり切り、その結果を積み重ねてここまで来ています。

マネジメントに関しても、様々な曲面を何とか乗り切ることがマネジメントだと思っています。「マネジメントはこうあるべき」という考えは持っていません。困難は常に当たり前でゴールを目指してその都度乗り越えていく。乗り越えることで、人や仕事の成長は付いてくるでしょう。

困難に立ち向かうには、スピードある行動しかありません。不確実で答えがない状況で、綿密な設計に時間を割いても仕方がない。設計の段階で細かいことを詰め出して、前に進めないことの方が問題です。とにかく走って、失敗を積み重ねながら、軌道修正する。常に前進できる態勢が生み出せればいいと思っています。

今後デジタルホールディングスが、世の中に新しい価値を提供していくためには、事業だけでなく、人の重要性を認識しなければいけません。そして人の力は、今自分が関わるマーケティング事業に大きく関係しています。

なぜならマーケティングには、お客様のことも、お客様の顧客のことも深く理解する力が求められるからです。お客様と一緒にイノベーションを起こしたいなら、お客様のことを分かっていなければいけません。マーケティングを理解して、お客様と会話し、お客様のあるべき姿を提言できる人財が必要なんです。そのために、今必要とされる価値を提供できるだけではなくて、3年後に求められる価値を提供できる人財を育てていきたいですね。

特に育成したいのは、描いた絵を実現する力のある人です。大きな絵を描くだけの人はたくさんいる。それに必要な細かい作業ができる人もいます。しかし、その大きな絵をきちんと分析し、細部に落とし込んで、実行しきれる人財は少ないです。結局それは、やりきる力があるかどうかだと思います。

職能的に色んなことができる人はいますよね。でもプロフェッショナルとして、責任と自覚を持って仕事をやりきれる人は多くはありません。仕事が「できる」だけでなく、何を「成し遂げる」かが大事。私自身も、種を蒔くことは色々とやってきたので、これからはその種の花を咲かせ、より多くの笑顔を生み出すことに注力していきたいです。