一歩先行く先輩たちの豊かな経験を、個と組織の成長へつなげる 社内メンター育成研修開催レポート

2024.12.12
株式会社Mentor For
代表
池原 真佐子 Ikehara Masako
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早稲田大学、早稲田大学大学院(教育)で修士号取得。
INSEAD(Executive Master in Change / 臨床組織心理学)で修士号取得。
PR会社、教育系NPO、コンサルティング会社を経て起業。
起業後に妊娠するも、臨月でパートナーが海外赴任、ワンオペ育児。
女性がキャリアアップする際の壁・社会の中の無意識バイアスにぶつかった経験が契機となり、D&Iを推進する社外メンター事業を2018年に立ち上げる。
その後家族の都合でドイツに移住、2年強に渡って、2拠点生活で事業を育てる。
2023年「女性部下や後輩をもつ人のための1on1の教科書」出版。3刷、1万部突破。
INSEADにてAdvancing Diversity and Inclusion コースも修了、D&Iの知見を深める。
D&I、女性活躍、メンター・スポンサー育成等の講演実績、及び受賞歴多数。

デジタルホールディングスグループでは、社員一人ひとりの価値観やライフステージといった多様性を尊重しながら、個の強みや能力を最大限に発揮できる仕組みを構築することで、グループ全体のさらなる事業成長を目指しています。そのため、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を重要な経営戦略と位置付け、推進に取り組んでいます。

この度、経営層を中心とした上位役職者が、スポンサーという立場からも女性社員や若手社員の能力開発や自己実現をサポートする社内メンター制度を新たに導入しました。

本記事では、社内メンター制度構築の第一歩としてメンタリングの意義やスキルを学ぶため、株式会社Mentor For代表の池原真佐子様を講師にお招きし、メンターとなる上位役職者を対象に2024年9月10日(火)、10月9日(水)の2日間に開催された「社内メンター育成研修」の様子をレポートします。

メンターとは人生とキャリアの少し先を行く先輩

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©︎ Mentor For Inc.

研修はメンターとは何かを理解することから始まります。メンターの語源はギリシャ神話に登場する優れた指導者の名前である「Mentor(メントール)」。メンターは、対話を通じてメンティの成長を支援する、人生のロールモデルやパーツモデル的な役割も持つ存在です。研修では、メンタリングが知見の共有や助言をするという点で、コーチングとは大きく異なるといった内容も伝えられました。

また、メンタリングはメンティだけでなく、メンター自身の成長にもつながります。参加者である経営層にとっても、信頼関係構築力、思考の広がり、マネジメント能力の向上など、メンターになることで培われるスキルは、経営力の向上に直結します。
さらに、オールドボーイズネットワーク(組織や飲み会など社内外で見られる男性中心のコミュニティ)や、ジェンダーバイアス(性別に基づく無意識の役割の決め付け)といった日本社会や組織の課題にも触れ、メンターが実践の場で活かせる具体的な対応について学びました。また、社内において上位役職者が、スポンサーとなって社員を育成・抜擢していく意義も学びました。

メンターとしての心構えを学び、次はいよいよ実践です。

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自分とは異なる相手と対話をするということ

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©︎ Mentor For Inc

研修では、メンタリングに必要な5つのスキルについて知り、それらを実践的に身につけるため、2日間にわたり、ケーススタディの実施やロールプレイを繰り返しました。
いざ実践をしてみると、「わかる」と「できる」の違いに直面し、参加者たちも苦戦している様子でした。

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ロールプレイでメンティの立場を経験することで、意識やしぐさ、質問の仕方ひとつで対話が変わってくることを体感し、自己内省につながりました。

講師からは、ロールプレイを通して浮き彫りになる参加者たちの課題について「メンターの経験が完璧である必要はなく、失敗や挫折もある等身大の姿が、メンティーにとって参考になる」「同じ経験がなくとも、因数分解すると共通要素を見つけられる」といった具体的なアドバイスをいただきました。

とにかく実践を積むことにこだわり、1日目と2日目の間には研修での学びを日常で活かし、振り返るという課題を実施しました。

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メンタリングのテーマは、どんな夢や価値観を持っているのか、中長期的なキャリア形成やライフプラン、自己理解、プライベート課題など、多岐にわたります。
社内メンター制度を通して、メンターとメンティで信頼関係を築き、心理的安全性がある関係性のなかで、こうしたテーマについて話をすることで、相手の様々な側面を知り、一人ひとりに合った成長支援をすることにつながっていくイメージを持つことができました。

一人ひとりに合った成長支援が組織の成長へ

今回の研修は、メンター自身がメンタリングの重要性を実感したことで、社員の成長支援が経営にとっていかに重要なテーマであるかを、それぞれの言葉で改めて共有する貴重な機会となりました。

研修の満足度については94%が満足と回答し、参加者からは、「メンタリングスキルを体系的に学ぶことができて良かった」「実践とフィードバックを通じて、自分が気づいていない自身の癖や特徴を知る機会になった」「見直すべき点が浮き彫りになった」「今後実際のメンタリングや日常のマネジメントにも活かしていきたい」といったコメントがありました。

今後は、経営層を中心とした上位役職者がメンターとなり、まずは女性部長やチームマネージャー、若手社員向けに社内メンタリングを実施していきます。研修での学びを実践し、社員一人ひとりに合った成長支援をしていくことが、組織の成長にもつながっていくと考えています。

デジタルホールディングスグループは、今後も社員一人ひとりが自分らしさを発揮できる環境の実現に向け、あらゆる側面からの取り組みを続けてまいります。