【イベントレポート】オプト・Re Data Science共同『画像生成AI×効果予測AIを活用した広告クリエイティブデザインコンテスト』開催。~クリエイターとAIが共存する広告制作の新たなフロー~

2023年9月19日(火)、株式会社オプト(以下、オプト)は、データ解析・機械学習技術を用いたサービス開発を手掛けるRe Data Science株式会社(1)(以下、Re Data Science)と共同で、『画像生成AI×効果予測AIを活用した広告クリエイティブデザインコンテスト』を開催いたしました。
本資料は、『画像生成AI×効果予測AIを活用した広告クリエイティブデザインコンテスト』の概要ならびに、当日の様子をダイジェストとしてまとめたイベントレポートです。

※1  オプト、データ解析・機械学習技術を用いたサービス開発を手掛けるRe Data Scienceと協業を開始~AIプロダクトとデータ解析ソリューションの企画・開発を強化~
https://www.opt.ne.jp/news/pr/detail/id=5271

 

『画像生成AI×効果予測AIを活用した広告クリエイティブデザインコンテスト』とは

広告クリエイティブのデザインにおいて、画像生成AIの導入が本格化しています。特にインターネット広告は、多種多様でリアルタイム性のある配信が可能なため、多くのデザインパターンが求められることもあり、生成AIの活用ニーズがより一層高まっています。

画像生成AI は、これまでにも複数発表されてきたものの、学習用に用いるデータセットに関する著作権の問題が指摘されていました。このような状況のなか、著作権の問題を解決した製品として2023年3月21日(火)にリリースされたのがAdobe Fireflyのβ版です。また、2023年9月13日(水)には、Adobe Fireflyの機能の商用利用が可能となりました(2)。そこで、オプトはRe Data Scienceと共同で、いち早く画像生成AI「Adobe Firefly」を活用した広告クリエイティブデザインの制作に取り組むため、本イベントを開催いたしました。

※2  アドビ、Adobe Fireflyの一般提供開始と「Adobe Firefly web版」を発表
https://www.adobe.com/jp/news-room/news/202309/20230913_commercial-release-of-gen-ai.html
 

 

画像生成AIを活用した新しいクリエイティブデザインの制作フロー

生成AIを活用することで得られるメリットの一つとして、低コストで多くのバリエーションを制作できる点が挙げられます。これにより、多くのバリエーションのなかから、効果が見込まれるクリエイティブデザインを選抜していく、という制作フローが可能になります。そこで、オプトではRe Data Scienceと共同で「多数の広告クリエイティブデザインのなかから、広告効果(CTR)の良いデザインを選抜する」するための予測AIツールを開発いたしました(近日ローンチ予定)。
選抜されたクリエイティブデザインのみを入稿・配信することで、広告効果(CTR)を安定的に向上させることができます。

 

 

画像生成AIと効果(CTR)予測AIを用いたクリエイティブの制作フロー

 

 

コンテスト概要

デザイナーとディレクター、合計7チームで、上記の「新しいクリエイティブデザインの制作フロー」に則り、6時間という制限時間のもと、仮想企業2社に対するクリエイティブデザインを制作いただきました。
各チームは、画像生成AIを用いた広告制作を行った後、効果予測AIで広告効果の予測をすることで、どのようなクリエイティブデザインが望ましいかを判断します。その結果をもとに、再度、画像生成AIによる制作と効果予測AIによる順位付けを行うといったかたちで、このフローを何度も繰り返し、最後に最も効果が高いと判定されたクリエイティブデザインを提出します。
勝敗についても、効果予測AIツールで決定します。最も効果が良いと判定されたクリエイティブを制作したチームと次点が、それぞれグランプリ、準グランプリとなります。加えて、最も多くのクリエイティブのバリエーションを制作したチームには、最多検証賞が贈られているほか、本来、生成AIを活用しない場合であれば、撮影や高度な合成を必要とするようなキービジュアルを制作したチームから特別賞が選ばれています。

 

 

 

 

【お題】

以下の架空の顧客、架空のシチュエーションを設定し、広告の制作を行いました。

 

 

当日の様子

 

 

 

受賞者紹介

グランプリ受賞チーム:Dチーム 
Re Data Scienceより、豪華お食事(8万円相当)にご招待

 

(記念品のTシャツを授与するシーン)

 


[運営スタッフが見たグランプリ受賞チームの姿] 
受賞チームは「品質を維持しながら、多くの数を制作する」ことを、どのチームよりも上手く行っていたと言えると思います。まず、無形・有形で画像内の構成要素が異なる点に着目し、それぞれに必要なケーパビリティや、作業を見積もり、その上で、メンバーの得意・不得意を考慮して、事前に適切な役割を決めていたことが、効率的な制作につながったのではないでしょうか。
 

 

 

準グランプリ受賞チーム:Aチーム  ※ 最多検証賞も同時受賞
  Re Data Scienceより、豪華お食事(4万円相当)にご招待
 

 



特別賞:Bチーム
オプトより、福岡県(審査員 岩本ゆかりの地)名産品詰め合わせを贈呈

 

 

 

特別賞は「撮影や高度な合成を必要とするようなキービジュアル」を作成したチームから選ばれます。

 

[審査員コメント]
株式会社オプト 執行役員 岩本 智裕

受賞作品は、コスメ商材の魅力を伝えるため、水飛沫を演出として上手く利用しています。これは、通常であれば、大掛かりなセットを組んで人物と水飛沫をそれぞれ撮影し、別撮りをした素材と合成する作業が発生するなど、大きなコストがかかるものであると考えられます。生成AIの活用によって、こうしたコスト面の制約が外れ、表現の幅が非常に大きく広がるということを明確に示した作品と言えるでしょう。

 

コンテスト内で作成されたデザインの抜粋

  

 

顧客のクリエイティブ制作におけるAI活用の本格化に向け、ナレッジを蓄積

生成AIの活用においては、プロンプトの指示が肝となります。本コンテストで生成したクリエイティブは、綿密に工夫されたプロンプトも多く、これらはナレッジとして蓄積しています。
 ※一部抜粋

 

 

コンテストの総評

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Re Data Science株式会社 代表 高田悠矢
今回のコンテストを行って、まず驚きだったのが、制作枚数とその質の高さです。画像生成AIを利用したことで、通常1つのクリエイティブデザインを制作するのに3時間ほどかかるところ、6時間で約半数のチームが3桁を超える枚数のクリエイティブを制作し、最も多いチームは130点でした。
人物画像は全てストック素材を使用せず、画像生成AIにより制作しています。本来であれば、撮影が必要となるような構成の作品も多くありましたが、これらは同じ時間制限のなかでは制作不可能であったと考えると、生産性の向上の度合いは計り知れません。

また、その裏に、デザイナーとディレクターのAIツールを使いこなす多くの工夫があったことにも驚きました。プロンプトの入力の仕方においては、多くのチームで経験豊富なデザイナーならではのさまざまな工夫がみられました。生成AIと効果予測AIの組み合わせ方については、チーム毎に異なる戦略、例えば、ほとんど詳細に踏み込まずに、ほぼ構成のみのラフ画の段階の多くのバリエーションを制作して予測を行い、傾向を掴んでから詳細部分の生成を行う戦略があるかと思えば、これまでのデザイナー経験を活かして、短時間である程度、詳細部分までつくりこんでしまって、それを起点として逐次的に変更点を模索していく戦略もありました。プロンプトエンジニアリングや、複数のAIツールの活用戦略などには、普遍的な正解はないと思われますが、多くのチームで、そのチームの個性と、今回のお題にフィットした解決策が導かれていたように感じました。

今後は、本コンテストで活用した、オプトとRe Data Scienceで共同開発を行った効果予測AIツールの開発を進め、生成AI 、Adobe Firefly、画像生成AIを活用した、新しいクリエイティブデザインの制作フローを推進してまいります。

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

株式会社オプト ダイレクトデザインプランニング2部 部長 太田貴大
今回のコンテストを通じて、広告のクリエイティブデザインにおいては、人かAIか、の対立構造ではなく、人とAI、つまり、AIと“共存する”ことが重要だと、改めて感じました。広告制作において、あくまでも主体は人であり続けるということです。ただ、顧客の課題解決を至上とするうえでは、アウトプットの手法は常に柔軟でありたいと考えています。広告効果を追求するなかで、表現の質と供給量はどちらも必要です。従来、クリエイターが培ってきた制作手法やナレッジを基盤としながらも、AIを始めとする新たなテクノロジーを活用することで、表現の幅の拡張と効率性の両面にアプローチしていきたいと考えています。今後もAIを積極的に活用し、制作フローのアップデートに邁進してまいります。
 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

株式会社オプト ソリューション企画部 阿部一馬
今回のコンテストを経て、私自身もデザイナーという立場から、いまは大きな変革のタイミングにあると感じております。これまであったアイデアの実現性の壁・制作スキルの壁が取り払われ、クリエイターが持つ課題解決力・発想力がより重要になり、創造活動は人、生産活動はAIといった状態になると想定しております。継続的に効果の良いクリエイティブを生み出し続けることが重要なダイレクト広告において、大量生成が容易なAIの力は、間違いなく重要なものとなっていきます。そうした制作スキームを実件するべく、今後も研究を重ねてまいります。