「チャレンジ休暇」の活用で1か月の留学を実現。人生観を大きく変えた、海外での暮らしと学び

株式会社デジタルホールディングス
グループ・ブランディング部
生嶋 花織 Ikushima Kaori
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出版社でのセミナー運営やプロモーション、IT業界での採用PR業務を経て、株式会社デジタルホールディングスに中途入社。
入社後は一貫して広報業務に携わる。現在は、オウンドメディアの運営および社外広報(主にオプト社とオプトインキュベート社)を担当。

デジタルホールディングス、およびグループ各社では、社員の多様なキャリア形成や多くの自立人材を育むことを目指したプロジェクト、「働き方のタネ」を推進しています。その施策の1つが、2022年4月にスタートした「チャレンジ休暇」です。

この制度は、社員のチャレンジを促進する特別休暇制度です。既存の有給休暇とは別に、副業やボランティアなど社外での能力実践・自己研鑽に限定した休暇を、最大年12日まで取得することができます。2023年4月現在は、延べ70人が取得しており、プログラミング学習に充てる社員、大学で講義する社員、全国規模のカンファレンスにボランティアスタッフとして参加する社員など、それぞれの目的に合わせた利用が進んでいます。そのようななか、今年1月、短期留学を目的にチャレンジ休暇を取得したのが、株式会社デジタルホールディングス (グループ・ブランディング部)の生嶋花織さんです。取得の目的、それによって得られた成果についてお聞きしました。

人生で積み残していた「留学」。制度活用で、ついに実現

―まずは、「チャレンジ休暇」の取得を考えたタイミングから聞かせてください。

制度ができた当時から、有意義に活用したいと思っていました。具体的に考え始めたのは、コロナによる規制が徐々に緩和されてきた9月頃です。海外に行くハードルが下がり始めていたので、ずっと実現したかった留学に出ようと思い立ちました。留学に行くのであればできるだけ長く行きたいと思っていたため、リフレッシュ休暇(*)とあわせて1か月の期間を留学に充てることにしました。

―留学を決めたのには、どのような経緯があったのでしょうか?

わたしは『人生でやりたいことリスト』をしたためているのですが、そこにある「留学」の項目を消せずにいたことが、ずっと心残りでした。大学時代に申し込みは済ませたものの、いろいろな事情が重なり、断念せざるを得なかったのです。社会人になってからも、英語を不自由なく使えなければ携われない業務があり、歯がゆさを感じたことがありました。これらの経験から、仕事で英語を必要とする機会が再び訪れたときには今度こそチャレンジしたいと1年前から英語の勉強を再開し、いつか留学する日のための準備を進めていました。

―「チャレンジ休暇を利用して留学する」と話したときの周りの反応はいかがでしたか?

まず、部長が背中を強く押してくれました。会社が推奨している制度とはいえ、1か月も業務から離れることになります。面談の場で「やはり難しいですよね」と、おそるおそる切り出したのですが、部長は「全力でサポートします。どうやったら行けるのかを考えましょう」と、言ってくださいました。この言葉を受けたその日のうちに申し込みを済ませました。その後、チームのみんなに報告したのですが、最年少のメンバーも、「素敵ですね!どこに行くんですか?」と、無邪気な反応を一番にしてくれるなど、他のメンバーも応援ムードになって送り出してくれました。

(*)リフレッシュ休暇:心身のリフレッシュを目的に、勤続3年ごと付与される10日間の特別休暇制度です。休暇を活用しての旅行や有給休暇と組み合わせての短期留学まで、用途を問わず幅広く活用することができます。
 

 

魅力あふれるパース 自然と人との感動的なふれあい

―留学先に、オーストラリアのパースを選んだそうですね。ここが決め手になった理由を教えてください。

わたしは留学先に三つの条件を求めていました。一つは、「日本人が少ない環境」です。短い期間だからこそ、英語を集中して学べる環境が欲しいと考えました。二つ目は「幸福度指数の高い国」です。日本の暮らしとは何が違うのかを、肌で知りたいと思ったからです。そして、三つ目は、「心身を癒せる」ことです。留学中は、自然の多い環境でリラックスして過ごしたいと思っていました。これらをエージェントさんに伝え、提案されたのがパースです。「生嶋さんに、絶対に合うと思います」と言われて調べてみると、たしかに自然豊かだし、住んでいる人もゆったりとした暮らしを送っています。日本人が少ない街でもあり、どんどん惹かれていきました。

―現地での暮らしはいかがでしたか?

語学学校に通っていたのですが、わたしの入ったクラスは日本人が一人か二人と少なく、希望していた環境で学べました。ちなみに語学学校は、そこでの学びが形に残せるところを希望し、提案を受けたなかから『ケンブリッジ英語検定(*)』に対応している学校を選びました。

(*)ケンブリッジ英語検定:「外国語」としての英語の能力を測ることができる国際標準の検定試験です。一度合格すれば生涯にわたって英語力を証明できます。

 

また、ホストマザーはイタリア人で、語学を習得する難しさと努力を知っている人でした。それもあって、単語の使い方をよく指摘してもらえた点はありがたかったですね。細かい英単語のニュアンスの違いはもちろん、「peopleはmanyを使わず、a lot of peopleよ」「ネガティブな同意を示すときは、Me , tooじゃなく、Neither, tooになるのよ」といった具合です。とても勉強になりました。

―余暇の過ごし方として、印象に残っていることはありますか?

語学学校の仲間と、よくビーチやピクニックに出かけました。ご飯を持ち寄り、街に点在する芝生広場に集まって、それらを食べながら一日を過ごすんです。傍らでは小さな子どもが裸足で走り回っていて、「これがオーストラリアの日常なんだ」と感じたことを覚えています。そこから眺めるサンセットは感動モノでしたし、海もとてもきれいで、毎日心が洗われていました。

 

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(生嶋さん撮影 お写真)

 

 

「日本のものさし」では測れない広い視野を持ってチャレンジしていく

―留学によって得られた学びを教えてください。

一つは、オーストラリアが「幸福度指数の高い国」といわれる理由が少しだけ分かったことです。わたしはいま、日本という豊かな国で充実した毎日を過ごしています。けれども、「幸せに過ごしてる?」と聞かれたら、そう感じられる機会は実は少ないのかもしれません。そう思ったことが、幸福度指数の高い国に行きたいと思った理由でした。ちなみに日本の幸福度指数は47位(*)です。ひるがえって、12位のオーストラリアはいま、日本と比べて賃金は2倍と、とても豊かです。そして、働いて得たお金は人を喜ばせるために使っています。  わたしがホストマザーに「ビーチに行きたい」と話したときも、「これはカオリのものよ。ビーチで使ってね」と、レジャーシートを買って渡してくれ、後日、感謝とともに使っている様子を写真に撮って送ったら、「コングラチュレーション! 希望が叶ったわね」と、お祝いしてくれました。また、家族や周りの人たちを大切にし、17時には家に帰り、近くのビーチでパーティをする。こうした行いを通して自分の心を豊かにし、人生を豊かにしているのだと思いました。

もう一つは、自分の可能性は自分次第で無限大に広がると感じたことです。これは、語学学校でいろいろな国や年代の人と出会えたことが大きいです。たとえば、86歳のブラジル人は英語を学ぶ理由を「私の世界を広げるため」と話していましたし、オーストラリアの永住権を取得しようと励んでいた同年代の日本人男性は、「人生はこれから!」と言って目を輝かせていました。一方、それまでのわたしは今さら遅い、私には難しい、と色々な事に制限をかけていました。しかし、留学によって、これらは日本で生きるための、日本の基準に過ぎないことに気づけました。わたしもやりたいことに目を向け、視野を広げていこうと思えたことは、一番の学びになりました。

*幸福度指数の出典データ:World Happiness Report 2023

 

―帰国後も、生嶋さんのチャレンジは続いているのでしょうか?

そうですね。まず、ケンブリッジ英語検定は受けたいと思っています。オンライン英会話は毎日続けています。その国のカルチャーをテーマに、いろいろな国の講師とのディスカッションを楽しみながら学んでいます。まとまった休暇を取得できたら、語学留学やボランティアという形で、また海外に出て学びたいです。

―今回の経験は、仕事にどのように活かしていきたいと考えていますか?

わたしの携わる広報は、英語とは切っても切り離せない職種の一つだと思っています。広報活動と株価の値動きに連動性を持たせることは企業経営にとって重要です。プレスリリースを英語で発信する機会が増えることも考えられます。そんなとき、英語に明るく、海外の文化にも詳しい社員が一人でもいれば、見せ方や言葉の選び方に工夫が生まれるでしょうし、そういう提案のできる人は重宝されると考えます。こうした人物像を目指し、外国の文化とセットで英語を学び続けていきたいです。

―最後に、生嶋さんから見た「チャレンジ休暇」の魅力を聞かせてください。

「チャレンジ休暇」は、成長意欲と貢献意欲の高い人が多い当社グループの社風にぴったりの制度だと思います。また、チャレンジの中に社員の自由が認められており、会社の業績云々ではなく、「チャレンジする社員を応援したい」「チャレンジする社員の人生を豊かにしたい」という会社の思いがひしひしと伝わってきます。

今後、社員それぞれが成長したいことにチャレンジし、その成果を会社に持ち帰ることで新しい風を吹き込めたなら、当社グループはもっともっと良い組織になると思っています。

 

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(生嶋さん撮影 お写真)