デジタルホールディングスグループの社員や採用に関する情報を掲載しています。

事業会社で培ったスキルを、より多くのクライアントの課題解決へ繋げる。CXコンサルティング部を率いる大喜多が描く、部門と会社、日本社会の未来地図

2023.09.28
株式会社デジタルシフト
CXコンサルティング部
大喜多 奈央 Okita Nao
プロフィールを見る

新卒で大手食品メーカーへ入社し法人営業、マーケティングに従事。ブランド戦略/CRM戦略/コンテンツマーケティング戦略を統括し、マス・デジタル広告運用、オウンドメディア運営、LINE/SNS運用、ファンコミュニティ運営などを戦略からPDCAまでフルファネルで担当。
2021年オプト社へ入社、デジタルシフト社へ転籍し、大手日用品メーカーのコミュニティ開発PDCA、EC印刷通販企業などのCRM運用、エンターテイメント企業マーケティング戦略等をプロジェクトマネージャーとして従事。
2023年よりCXコンサルティング部部長、現職。

大手食品メーカーのマーケターというキャリアを経て、さらなる成長を求めてデジタルシフト社にジョインした大喜多奈央。現在は部長として部門を率いる彼女の目指す組織像とその意気込み、そして、CX(※1)コンサルティングという仕事の魅力に迫ります。

※1 CX:
「Customer Experience(カスタマー・エクスペリエンス)」の略称で、顧客が商品やサービスを購入するまでの過程や購入後のアフターフォローなど、すべての顧客体験を指す。

 

「マーケターとして力を付けたい」。ゼロイチの経験が将来を考えるきっかけに

ーー大学で、ものづくりのマーケティングを学んだ大喜多。母方の実家が醤油メーカーだったことや、管理栄養士の母のもとでこだわりのある食生活を送ったことにも影響を受け、新卒で入社したのは誰もが知る大手食品メーカーでした。その後、大喜多は営業職として小売業のお客さまを10数年にわたって担当。2016年、マーケティング部門に異動後は、社を代表する製品のマーケティングに携わってきました。

この時期の転機として大喜多が挙げたのは、社を挙げての大型企画となる野菜摂取推進のための啓発プロジェクトを担当したこと。自らが初めてゼロから戦略を描き、実行にも大きく関与したプロジェクトでした。

「それまで携わっていたマーケティングは、過去からあるプロダクトを代々の担当者から引き継いだものでした。しかし、このプロジェクトは、プロジェクトマネージャーとして全社を推進する立場にありました。そのなかで、自分の知見の薄さや力不足に気づいた部分もありましたし、自分が決定したことが世の中に広がっていく手応えを得られたとも感じました」

ーーゼロイチを経験することで、マーケティングの手触り感を知れたことは、新たなステージを意識することにつながっていった、と振り返ります。

「場所を変えれば、見える景色が変わると思ったことも一つの理由ですが、一番は生活者とのコミュニケーションがマスからデジタルへと変わる転換点に立っていると感じたことにありました。このプロジェクトは人々の意識を変えていくことが目的でしたが、マスプロモーションによる細小な接点だけではなく、デジタルのように日常的に触れるものを活用して情報発信していかないことには、人のインサイトは変わらないという思いに至りました。そして、自分もデジタルの知識を備えていかないと、この先キャリアが伸びないという危機感もありました。社会から必要とされ続けるマーケターになるには、デジタルを使いこなす必要があると感じたのです」

新たなステージへ。デジタルシフト社にジョイン

ーー転職活動にあたっては、当初、デジタルマーケティング部門を持つメーカーなども候補に挙げていた、と話します。しかし、エージェントとそのほかの候補を検討するなか、デジタルホールディングスの存在が浮かんだといいます。

「転職を考える前に読んだ、鉢嶺さん(現デジタルホールディングス代表取締役会長)の書籍が強く印象に残っていました。中国への進出、生命保険会社とのサービス開発事例など、世の中にない体験を生み出すその手法や心意気に触れ、先進的な事例を生み出そうと挑戦を続ける企業でなら、自分の知見も広がるのではないかと期待したのです」

ーー面接官の人柄の良さが決め手となり、2021年、大喜多はデジタルシフト社のメンバーに。社会人16年目にして初めての転職。当時は、期待と戸惑いが入り交じる日々だったそうです。

「会社の雰囲気は面接時に感じたとおりでした。役職関係なく誰もがフラットで、自分のミッションに対する高い意識と意欲を感じました。個々の意見を通しやすい風土もあると思います。また、実務の面では決まった手順に従うというよりも、自分で課題を整理して、プロジェクトを進めていく必要がありました。そのため、入社当初はどこまで自分で決めていいのだろう、と戸惑っていましたが、そのぶん自由度が高く、大きな裁量を任されていると感じました」

ーー入社後、複数のお客さまを担当してきた大喜多は、前職の経験も活かしながら、コンサルタントという職種の輪郭をつかんでいきます。

「コンサルティングの力を必要とされているお客さまの多くは、課題の言語化に苦労されている印象を持っています。『ここが改善点だと思うのですが、どうすればよいでしょうか』と相談をいただくのですが、フタを開けてみると問題の本質はまったく違うところにあったというケースをこれまでも見てきました。事業会社にいたときは、課題やタスクが明確にあるなかで仕事をしてきましたが、一転、現在は課題やタスクが何かを明らかにするところからが私の仕事です。お客さまのモヤモヤを言語化し、課題に対する解像度を高め、解決に導けるようお客さまに寄り添うことが、この仕事の一番のポイントだと思っています」

裁量と責任が紡ぐ、やりがいと喜び

ーー複数のグループ会社の事業を統合する形で設立されたデジタルシフト社。その背景から、自ずと事業領域は広かったのですが、より企業としての強みを研ぎ澄ますべく、事業別だった組織を機能別に再編。これにともない大喜多は部長に登用され、現在は5つの部署が合体してできた、CXコンサルティング部を任されています。

「部長職の打診は、まったく予期していなかったので率直に驚きましたが、目の前にチャンスがあるのならつかみたいと思い、その場で『お受けします』と答えました。裁量が大きい分、日々の責任の重さを感じています。たとえば、部門の方針も私の意思表示が大筋通るものの、遂行も自分の責任に帰するため、そのバランスのとり方を模索しています。けれども、私が打ち出した方針に共感し、行動したメンバーが成果に結び付けたり、新しい領域にチャレンジした方が、数か月後に独り立ちしている姿を見せてくれたりするときの喜びは大きいです」

私たちの目指す姿。「コンサルタントでありマーケティングのスペシャリストである」

ーーこうした組織の変化は、メンバーに必要な資質やスキルにも変化をもたらしています。大喜多は、「CXコンサルタント」という仕事に対する魅力づくりについて、このように考えを示します。

「CXを冠しているとおり、顧客体験が中心になるようデジタル上の接点だけではなくリアルも含めたあらゆるチャネルを活用することで、すべての顧客接点を想像し、描くことのできるポジションに立てることが、この仕事の魅力と考えます。そうなると、広い領域をカバーすることになりますが、すべてにおいて深い知見が必要かというと、そうではありません。実際、ここ数年のトレンドを見ていても、TikTokが出てきたり、Facebookが役割を変えたりと、さまざまな変化が起こっています。こうした現象がこの先も起こることを踏まえると、専門知識を身に着けることよりも、世の中のニーズに応じられるアレンジ力を高めていくことを重視したいです。チャネルの概要的な理解のもと、顧客との複合的な接点を描く力こそ、この先10年20年と生き永らえられるマーケティングスキルだと思うので、これを習得することがCXコンサルタントの目指すところであり、部の強みへと発展させたいところでもあります」

photo

 

正直さと行動力が源泉

ーー部長としてのミッションと責任を語るとき、大喜多のその姿は真摯さと誠実さにあふれていると感じます。本人もまた、「正直に商売する」ことを仕事の価値観に置いていると言います。

「前職で法人営業をしていたとき、商いは頼り頼られながら成立するものだ、と実感しました。等身大の気持ちを正直に出すことによって、相手から気持ちの良い対応をしてもらえることを、経験から感じています。正直な商売こそ信頼関係に結びつくし、それが家族に誇れる仕事にもなると思っています」

ーーその一方、転職を決めたときや、部長職のオファーを受けたときなど、未知なる世界に臆せず飛び込んでいく大胆な姿も垣間見られました。

「昔から考えを深めてから行動するよりも、行動しながら考えを深めるほうが好きなんです。生まれついてのものというか、性格というか……。20代半ばから家族の介護が始まり、やりたいことがやれない時代が10年間続いたことが、その思いをいっそう強くしていると感じます。その経験から、やりたいことができるのは人生の中でも限られた期間であると気づきました。いま、そのときが訪れているのなら、考えるよりもまずはやってみた方が後悔は少ないと考えています」

時代に呼応したマーケティングの実現で、会社の存在価値を高めていきたい

ーーこのように話す大喜多は、部門をけん引して行く先で、どんな景色を見たいと考えているのでしょうか。

「生活者の価値観が多様化する現代においては、個々の趣味嗜好に沿った情報発信をはじめ、エンドユーザー一人ひとりに寄り添うマーケティングが重要です。加えて、日本は人口減少にともない生産人口も減少していくフェーズに入っており、ここから先は新規顧客へのアプローチや認知拡大をねらってもどんどんコストが合わなくなることが考えられます。マーケターとしては厳しい局面を迎えることになりますが、視点を変えれば長期的なLTV(※2)を高めることにつながると考えています。たとえば、接点のできた生活者に向け、ブランドの思想を伝えたり、その傍らで行っているSDGs(※3)やCSR(※4)の取り組みを発信したりすることで、価値観に共鳴してもらえるかもしれません。良質な顧客体験を提供するために、私たちのコンサルティングもまた、こうしたところに寄与していきたいですし、そのためにも一つまた一つと事例をつくり、デジタルシフト社の存在価値を打ち出していきたいです」

※2 LTV:
顧客生涯価値。一人の顧客から生涯にわたって得られる利益を指す

※3 SDGs:
「Sustainable Development Goals」の略称で、持続可能な開発目標を指す

※4 CSR:
「Corporate Social Responsibility」の略称で、企業の社会的責任と訳される

ーーさらに、大喜多は、「この目的を実現するために新たな仲間も募りたい」と言葉を継ぎます。

「人に興味がある人、新しいものへの感度が高い人、そして行動力のある人と一緒に働けたら楽しいと思います。そのためにも、やりがいのある仕事、魅力あるコンサルタント像をメンバーとともにつくっていきたいです」

ーー進み続ける時代と合致したマーケティング事例をつくり続けるために。その事例をつくる人材を生み出すために。大喜多の挑戦はまだまだ続きます。

photo