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オンライン・オフラインの垣根を超え、「欲しい」と「お店・製品価値」が便利に繋がる場を創りたい。

2020.09.29
株式会社コネクトム
代表取締役社長
久米田 晶亮 Kumeda Shosuke
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2008年株式会社オプト入社。モバイル広告セールスに従事。その後、大手ソーシャルゲーム会社へ常駐。2011年帰任後、ビジネス開発部を創設し、部長就任。O2O事業開発・投資PMを兼任し、米Retailigence社との資本業務提携・ローカライズを牽引。2014年3月株式会社コネクトム創業、代表取締役社長に就任。

O2O、オムニチャネル(※)領域のマーケティング支援を行う株式会社コネクトムで代表取締役社長を務める久米田晶亮。アメリカの注目トレンドであったO2O分野に可能性を感じ、会社を起ち上げたものの、市場黎明期からの取り組みは厳しいものでした。苦難を乗り越え、今変革の時期を迎えているコネクトムの新サービスと、社会に提供する価値に迫ります。

※O2O :Online to Offlineの略。オンラインからオフラインへ、あるいはオフラインからオンラインへユーザーを誘導する施策や考え方を意味する。
オムニチャネル:実店舗やECサイト、SNSなど、あらゆる販売チャネルを統合し、販売促進に繋げる戦略。

インターネットでリアル領域の企業を救う

2008年に新卒で株式会社オプトに入社しました。まだガラケーが主流だった当時、携帯広告を扱うモバイル広告セールスを担当しました。スマートフォンが当たり前となっていく時代への過渡期に大手ソーシャルゲーム会社に常駐し、その大きな変遷を業界の中心で広い視野を持って経験できたことは大きな財産になっています。
モバイルマーケティングで培った知見を買われ、2011年には、オプトのビジネス開発部の部長に就任しました。事業のヒントを模索する中で出会ったのが、O2O(Online to Offline)という考え方です。アメリカではO2Oがトレンドになっていると聞いて、衝撃を受けました。当時オプトが主軸としていたのは、ECサイトなどインターネット事業に関わる企業に対して、ネットを活用したマーケティング支援をすること。その支援の幅を、例えば実店舗を持つリアルな世界にも広げていくという概念にワクワクしたことをいまでもよく覚えています。実は、個人としては昔から経営者になりたいという想いが強く、挑戦したいと思える事業の種を探していたんです。自身の強みを活かして大きな挑戦ができる分野という意味で、まさに、O2Oこそ自分が人生をかけるテーマではないかと感じました。

O2O領域に可能性を見出したものの、その中で実際に何をやっていくかは漠然としている状態でした。そこで、部署内で200超のビジネスプランを練り、事業化する前にいくつか実行してみることにしたのです。トライアンドエラーを経て、アメリカでO2Oサービスを展開する、Retailigence社(※)との資本業務提携や、O2O関連のアプリの開発などに積極的に取り組みました。

※Retailigence社:正式名称Retailigence Corporation.は、米カリフォルニアでO2Oビジネスを展開する注目ベンチャー企業。米国では多くの有名企業と連携し、「10万以上の実店舗」 と「1,000万件以上の商品在庫情報」を集約している。コネクトムは、Retailigenceの日本国内展開における総代理店。

 

ちょうどその頃、Yahoo! のスポンサードサーチ広告(検索連動型広告)の責任者との協議の中で、例えばホテルの検索をすると空室情報が出るような、リアルタイムの在庫データと連動した広告の構想が生まれました。当時はとても画期的なシステムでした。そこで、この仕組みを活用した事業をつくろうと、会社を起ち上げることを決意しました。こうして2014年に設立したのが、株式会社コネクトムです。

大赤字でもやめろとは言われなかった

設立初年度でメンバーは25人に増えたものの、会社の業績は思わしくありませんでした。私達が事業の柱にしようとしていたのは、小売業向けの広告で、消費者が商品の在庫情報を見られるという仕組み。しかし実際に動いてみると、小売業の企業自体がまだ在庫データを管理しきれていないという状態だったのです。

社長として、自信を持ってスタートを切ったのに、市場ではまだまだニーズが高まっていない。自分の会社を過大評価していたことに気づかされました。大切な社員からも「この会社は何のためにあるんですか?」と問われ、しっかり答えることができなかったんです。本気で向かってくる社員に対して、自分は本気で会社の方向性を語れない。その迷いが、普段のマネジメントにも出ていたのでしょう。次第に人が抜けていくという、厳しい時期を味わうことになりました。

しかし、グループ経営陣から会社をたたもうと口にされたことは一度もありませんでした。当時の役員から「これからどうしていく?」と聞かれ、続けてもいいのかと驚きましたね。「もう一度少ない人数でやり直せばいい。社長一年目なんだから、失敗して当たり前だ」と背中を押してもらったのです。反省点は多かったですが、自分を振り返り、より強い想いを乗せたミッション・ビジョンを創り、もう一回やってみようと決意しました。

2016年に、設立以来初めて会社が黒字化しました。それまでは、主に海外の会社と提携してサービスの総代理店(代販)をしていましたが、社員の約半数をエンジニアにして、内製化に取り組んだのです。以前は、製品を良いものにすることよりも、売上を伸ばすことに注力しがちでした。しかし、良くない商品を営業しても、売ることができないという悪循環に陥るだけでした。業務を内製化したことで、製品改善のサイクルがしっかり回せるようになりました。また、日本の市場でO2O、オムニチャネル領域が認知されてきたこともあり、徐々に事業が軌道に乗り始めたのです。

SaaS型サービスの提供へ舵を切る

今、コネクトムは変革期を迎えています。今までは店舗の情報をデータ化して、簡単に広告に反映できるツールの販売が主力事業でしたが、いま戦略を転換するべきタイミングを迎えています。今後は、店舗のデータをマーケティングやプロモーションに活かすという軸は変えずに、より大きな価値創出に繋がるSaaS型のビジネスモデルにシフトした上で、大きく2つのサービスに注力していこうとしています。

1つは、「toSTORE Local Search.」というサービス。Googleマップなど、ローカル検索(※)に対応する複数のメディア・プラットフォームに、必要な情報を一括で配信できるサービスです。例えば、全国に1,000店舗展開している企業は、通常は店舗ごとに毎回ログインして、情報を管理・更新しなければいけません。しかしこのサービスを使えば、その作業を一括で行うことができるのです。さらに、口コミを分析して既存客の声を店舗の改善に活かす、といった支援も行っています。月額の料金モデルで、企業側で管理画面を使って運用できる、SaaS型のサービスとして展開しています。

※ローカル検索:お店や施設など「場所」に関する検索がおこなわれた際、その検索ワードに対して適した場所の「情報」を表示させるしくみのこと。

もう1つは、店舗情報の中でも、例えば混雑状況など、従来は実際現地に行ってみないと分からなかった状況を見える化(コンテンツ化)して、Webサイトや広告、メルマガなどで配信するサービス「toSTORE Local Dynamic Contents.」です。例えば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、店内の混雑状況をリアルタイムで知りたい、または発信したいというニーズもあるため、消費者がより簡単に、そして安心・安全に情報を把握できる仕組みをつくりたいですね。今までは、クライアント企業から提供されたデータで、我々が運用を担当していたのですが、今後はこのツールもSaaS型サービスとしてリリースする予定です。

消費者の購買意欲と、店・商品の価値をもっと便利に繋げる場をつくりたい

今、デジタルホールディングスは売上よりも企業価値(※)を重視した経営に方針をとっています。世の中が企業の価値を測るためのシンプルなものさしの一つとして時価総額と捉えています。時価総額を追求していく場合、再現性と将来性があるビジネスモデルがあれば、その数値は上がっていきます。そこで必要となるのが、コストと売上が比例しない、収益率が非常に高いビジネスモデル。それを実現するために、SaaSに挑戦します。グループの目指す方向と、コネクトムの今できることも噛み合ってきているので、会社としても、私自身としても、とても良い変化のタイミングを迎えていると感じますね。

※時価総額:上場企業の株価に、発行済み株式数を掛けた数値で、企業の価値を評価する値。

私が、今目標としているのはコネクトムが「欲しい」と「お店・製品価値」が最も便利に繋がる場の創造を経て、大きな社会貢献していく(時価総額500億円)ことです。実店舗が持っている価値は、実際にお店に行かないと分からないことが多く、ユーザーからすると事前に立てられる計画に限界があります。もっとデータ化が促進されれば、ペインは解決できる。例えば、新しいテーブルとイスを買いたいときに、お店を回って探しても、なかなかテーブルに合うイスが見つからないというケースは多々あります。それは、2つの商品がブランドやメーカーを跨いで別々のお店にあり、別々のお店にあるという事実がデータ化されていないからです。同じ系統のデザインの製品在庫がこの店にあるというデータがあれば、それがヒントとなりテーブルに合うイスにたどり着きやすいです。こういった状況を解決するために、消費者の購買意欲「欲しい」と「店・商品の価値」を徹底的に繋げる場をつくりたいと思っています。

また、今はSaaS型のサービスづくりに注力していますが、今後はプラットフォーム型のサービスにも力を入れていきたいと考えています。Googleマップに限らず、ローカル検索に対応したプラットフォームは、これからさらに増えていくでしょう。そうなれば、企業側も色々なプラットフォームに情報を出す必要があり、複数にまたがるプラットフォームとその情報をつなぐことができるコネクトムのような存在の価値は上がっていくと考えています。

プラットフォームと企業の情報をつないでいく。これを続けていくことで、いずれ100万店舗分のデータが集まります。100万店舗分の店舗データ、商品データ、在庫データが集まるプラットフォームがあると、それを活用したビジネスアイデアが沢山生まれるはずです。その結果、世の中はいまよりももっと便利になってくると思います。

今欲しいものを入力するだけで、最も近くで、最も安価に売っているお店・商品の情報が出てくる。ECと同じように、リアルでもぜひそういう場を実現したいですね。こうしたサービスを生み出すことで、世の中にもっと笑顔を増やし、生活を豊かにすることを追求し続けていきたいです。