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アカデミアからビジネスの世界へ。AIを軸に、社会全体のデジタルシフトに挑むデータサイエンティスト

2020.08.19
株式会社SIGNATE
DataScienceGroup シニアデータサイエンティスト
高田 朋貴 Takada Tomoki
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明治大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。専門はコンピュータサイエンス(言語処理、人工知能等)。2015年、株式会社オプトホールディングのAI研究開発部門「データサイエンスラボ」に入社。同部署にて、主にAI開発のためのコンサルティング/受託分析や分析コンペティション設計、データサイエンス講座講師等に従事。18年4月、データサイエンスラボの事業統合を機にSIGNATEに参画。19年4月より現職。博士(理学)。

国内最大規模を誇る、AI開発コンペティションを中心とした「データサイエンスプラットフォーム」を運営している株式会社SIGNATE。その中で高田朋貴は、データサイエンティストとして、コンペティションの設計やデータサイエンティスト育成のための教育コンテンツ開発などに携わっています。アカデミアの世界にいた高田が、ビジネスの世界の扉を叩いた理由とは?ビジネスでお客様と向き合う中で、大切にしている想いとは?

アカデミアからビジネスの世界へ

私は、もともと大学でコンピュータサイエンスを専門とし、コンピュータに人間の言葉を理解させる方法などについて研究していました。博士後期課程を修了した後、2015年に株式会社オプトホールディング(現:株式会社デジタルホールディングス)のAI研究開発部門であり、いまの株式会社SIGNATEの前身でもある「データサイエンスラボ」に入社したのです。

アカデミアからビジネスの世界へ入ろうと決めた背景には、「いま世の中で何が起きているのかを知りたい」という想いがありました。大学に所属しているだけでは、ビジネスとは何か、世の中で何が求められているのかが分からず、一度は社会に出たいと考えたのです。また、以前から教育に関心を持っていたため、学生に自身の経験を語るには、より幅広い視野や具体例が必要だという気持ちもありましたね。

私は、データ分析を生業とする企業の志向性には大きく2つのタイプがあると考えています。1つは、自分達でプロダクトをつくるやり方、もう1つは、お客様の課題を聞き、それを解決する受託解析型です。そこで、就職先を探すに当たり、この両方に携われる環境を選ぶことにしました。

最終的にデータサイエンスラボへの入社を決めたのは、説明会の内容が勉強になったことが大きいです。企業の説明会と言うと、抽象的な話が多くなりがちですが、データサイエンスラボは、「データを使って何ができるか」という可能性を、具体的に提示してくれたので、非常に興味を持ちましたね。

ユーザーファーストで、お客様とより良い関係を築く

いざ働き始めてみると、最初は何をすればいいのか全く分からない状態でした。特に、お客様とのコミュニケーションの取り方に悩みましたね。表面的なやり取りはできるのですが、何を言えばお客様に満足してもらえるのかが、分からなかったんです。

さらに、入社2年目からは、一人で案件を担当するようにもなり、経験と実力の両方が足りない中で、苦い想いを幾度となく味わいました。

しかしその試練を通じて、お客様との向き合い方が大きく変わったのです。お客様にとって何が重要なのかを理解し、誰がどう使うのかといった、細かい部分にまで気配りができるようになりました。そこから徐々に、お客様とのコミュニケーションが楽しくなりましたね。データ分析もビジネス的観点も、お客様から教わったことがたくさんあります。

以来、私は仕事をする上で、ユーザーファーストであることを大切にしています。お客様のことを第一に考えるのが、自分にとって得意なことであり、最も価値を提供できる部分だと思っているんです。それを実践するためには、やはり対話が重要ですね。根掘り葉掘り聞いて、こちらもトコトン正直に伝えるべきことを伝えて、お互いに納得する。受託分析と言うと、一般的にはクライアントとベンダーという関係性になりがちですが、それでは少し寂しい。お互いに知恵を出し合い学び合うことで、より良い関係性が築けるような、心の通ったコミュニケーションを取っていきたいですね。

やりたかった「教育」に関わることに

現在は、株式会社SIGNATEのデータサイエンティストとして、主に3つの仕事に関わっています。1つ目は、コンペティションの設計です。お客様から経営課題をお聞きし、AI開発のコンペティションとして開催できるよう、問題設計をします。

2つ目は、コンペティション開催前のフィジビリティスタディ※の実施です。お客様が持つデータを活かし、お客様が求めるAIを作ることができるかを検証し、コンペティションが成功する確率を高めます。

※フィジビリティスタディ:プロジェクトの実現可能性を事前に調査・検討すること。

3つ目は、データサイエンティスト教育のための、学習プラットフォーム・コンテンツ開発です。データサイエンティストが不足している現状を踏まえ、いつでも誰でも場所に拘束されないオンライン学習プラットフォームを開発し、そこで学べるデータサイエンス教育コンテンツの作成を行っています。

データサイエンティストの教育は、会社の新規事業として注力している分野です。私は現在、このプラットフォームのプロダクトマネージャーとして、どうすれば多くの個人・企業の方々に質の高いデータサイエンスを学んでいただけるか?を日々考える仕事に従事しています。図らずも、以前からやりたいと思っていた教育に関わることになりましたね。

私にとって教育は、ビジネスの現場でお客様と対話することと同じなんです。お客様が分からないことを分かるように説明するのが私達の仕事なので、そういう意味では、教育との違いはありません。

社会のデジタルシフトを推進していくため、そしてそのコアエンジンとなるAI・ビッグデータの活用をもっと世の中に広げていくために、教育は欠かせません。すごく便利なものなので、単純に世の中に広く知ってもらいたいという想いはあります。しかし同時に、正しく知ることが重要だと考えています。あくまで道具の一つなので、使い方を間違えれば悪い方向へ行くことも有り得るからです。正しい知識が広がることで、お客様にとっては業務の効率化に繋がりますし、私達にとっては、仕事が増えるというWin-Winの構造ができるのです。

ホールディングス全体でより大きな力を発揮するために

個人としては、今後アカデミアの世界へ戻る可能性もあるかもしれません。ただ、いま関わっているプロダクトが始まったばかりなので、それがしっかり成長するのを見届ける経験は積みたいですね。ゼロからスタートさせていくことが多い会社なので、その間にも、また新しい取り組みが始まっていくかもしれません。

私がこれから育成したいのは「何が問題なのか」を考えられる人です。「この技術がすごいからこれを使おう」ではなく、解決したいのは何か、そのために最適なソリューションは何かという思考がとても重要だと思います。しかし、よく気を付けていないと、ピンポイントの狭い視点に陥りやすい。だから、問題意識を育てられるような教育に力を入れていきたいですね。

デジタルホールディングスが掲げる社会のデジタルシフトに、我々が取り組むAIは欠かせません。AIは、企業がデジタルシフトの仕組みに気付くための、一つのきっかけになり得るからです。例えばお客様がAIを事業に取り入れようとした場合、現状の業務フローやデータの見直しが必要になります。その見直しの過程で、お客様自身がデジタルシフトの必要性に気付くのではないかと。もしかしたら、お客様にとって最終的なソリューションは、AIではなく、業務の一部をデジタル化することかもしれません。その場合は、私達の会社から、グループ内の別会社と連携しソリューションを提供できれば素晴らしいですね。そうすれば、グループとしてより大きな力が発揮できると考えています。